広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

レーエンデ国物語 喝采か沈黙か 多崎礼 ネタバレ感想

テッサの軌跡を舞台化するために双子が動く

レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

 

前作はこちら

hiroku-asaku.hatenablog.com

レーエンデ国物語 喝采か沈黙か 多崎礼

あらすじ

テッサの死から100年あまり

レーエンデに双子の兄弟が誕生した

リーアン・ランベールと、アーロウ・ランベール

 

成長した彼らは

娼館兼劇場で兄のリーアンは劇作家、弟のアーロウは俳優として生活していた

 

ある日リーアンが英雄テッサのことを嗅ぎ回っていると知らせを受けたアーロウ

これ以上関わらせるなと忠告された

テッサのことは口にするだけで「犠牲法」によって裁かれるからだ

法皇帝ルチアーノ・ダンブロシオにより「娼館保護法」が制定され

娼館で暴力を振るった者は懲罰に課せられる

そのため娼館で暴力沙汰はご法度だった

「娼館保護法」に守られた娼館であってもテッサのことを口にするとどうなるか分からない

しかもリーアンは娼館を離れて暮らしていたため、保護法に守られるかどうか怪しかった

だがリーアンの英雄テッサを知りたいという欲求は止まらなかった

ミケーレ・シュテーレというイジョルニ人の演出家がリーアンに会いに来たと言うのだ

そしてエストレニエで記念公演が上演される、その上演される戯曲をリーアンに書いて欲しいというのだった

 

英雄テッサの軌跡を求めてリーアンとアーロウは旅をすることになる

 

 

感想 ネタバレ

テッサの死からおよそ100年後

今度は戯曲でレーエンデに自由を唱える人々がいた

ルチアーノが制定した「娼館保護法」がまだ生きていて

娼館の人々を守っていた

テッサに協力した春陽亭の娼婦達の名前を襲名していたのは良かった

そしてテレサと名を変えて劇が行われていたこともびっくりした

 

襲名してたのは娼館の人々だけではなかった

パン屋のマロウは曽祖父を英雄に助けられ

またパン屋のリカルド・ハロウも代々名を襲名しテッサの軌跡を語り継いでいた

 

どれだけ箝口令がしかれようとも、人々は英雄を語り継いでいた

レーエンデに自由を

 

タイトルの副題は劇のタイトルだったのね

全てが繋がっていく

 

双子の出生についての話

湖から生まれた?おじさんの光る玉?

謎が多い

 

3作の中では好きな方かも

 

レーエンデ国物語 月と太陽 多崎礼 ネタバレ感想

あれから約100年後

レーエンデ国物語 月と太陽

レーエンデ国物語 月と太陽 多崎礼

1巻の記事はこちら

 

hiroku-asaku.hatenablog.com

 

 

あらすじ

イジョルニ人のルチアーノはある日突然家族を殺された

生き残ったルチアーノは謎の男の助けを借りて

レーエンデのダール村へと避難した

素性を隠さないと殺しに来るぞ、という謎の男の言葉を信じ

ルーチェとして生きていくことを決めた

匿ってくれた、ダール村の村長テルセロと二人の娘、テッサとアレーテは

こころよくルーチェを迎え入れてくれた

役に立ちたいルーチェは計算が得意なことを活かして

村の炭鉱の帳簿を任せられるようになる

 

その後、村に民兵の追加招集がかかり3人の村人を出さねばならなかった

怪力を持つテッサはその力を何かに活かしたいとルーチェに助言されたこともあり

民兵に志願する

 

そうしてテッサは村を離れたのであった

 

 

 

 

感想 ネタバレ 最後まで含む

壮大な話だよね

今回も600ページ超えの大長編

辞書みたいな分厚さ

読み始めてテッサが部隊に加わるまではちょっと、退屈だったけど

その後はぐいぐい続きが気になった

 

年表を作ってみたけど

1巻から約100年後なんだね

あれから100年経っても、争いは起きてるし

レーエンデは自由になってない

レーエンデが自由になる時は、この物語が終わる時かもしれない

そしてハッピーエンドで終わるのかな

 

テッサが英雄として死ぬ寸前、現れたのはルーチェ?

だったらいいな

ルーチェは結局法皇になったのね

残虐王だなんてこの本を読んでる間ちっとも思わなかったから

いつ残虐になるんだとひやひやしながら読んだよ

ルーチェは生涯伴侶を持たなかった

つまりテッサを愛していたから、かなぁ

法皇の立場で色々知ってしまったから伴侶どころではなかったからかもしれないけど

 

神の御子、ユリアの子供は

レーニエ湖から離れず100年もの間生きていた?

しかも赤子のまま?

謎が残る

 

 

年表作ったから載せとく ネタバレ

ざっくりしたとこだけ間違ってたらすんません

 

レーエンデ国物語 多崎礼 ネタバレ感想

やっと読み終わったけど謎がたくさんある

レーエンデ国物語 多崎礼 壮大な国物語

レーエンデ国物語

 

あらすじ

シュライヴァの英雄ヘクトルと娘のユリアはレーエンデに向かっていた

シュライヴァとレーエンデの交易路を結び、銀呪病を治すため

レーエンデでは幻の海にのまれたら人・動物を関わらず銀色の鱗に染まり

命を失ってしまう病気があった

レーエンデに魅せられたヘクトルはいずれレーエンデの地で過ごしたいと思うほど気に入っていた

レーエンデは異なる種族で構成されており、各部族の了承を得るために、ヘクトルはトリスタンという青年に道案内を頼んだ

 

壮大な国物語のはじまり

 

 

ネタバレ 感想 最後の最後までネタバレしているので注意

 

 

 

 

 

 

悲恋で終わるのーーー!?

トリスタンーーーー!!!

結局銀呪病を治すすべは見つからなかったし

交易路も完成しなかったね

神の御子が産まれたから、銀呪病が収束していったってこと??

 

 

 

謎多きラスト

疑問その1

ラスト終章ではその後の国と登場人物たちの人生が語られた

だけど

レーエンデを出れば死ぬあるいは銀呪病が進行するはずで

その銀呪病にかかっていた、ユリアの子供は生き残られないはず

なのに、イジョルニで神の御子として育ち?ユリアは聖母として名を残した

 

疑問その2

ユリアと結婚したのは誰? マルモア卿は陰謀の犯人だったのに

ゼロア・マルモアとは誰なのか? 息子か孫か

陰謀の犯人の血族と結婚?

 

疑問その3

レーエンデは結局イジョルニに支配された?

苦難の歴史の始まり、とあるがここも続編で語られるのか

 

 

月光石のお守りを持つ黒髪のウル族ってリリスの子孫だね

 

 

全5部作らしい(作者ブログより)

なっがいいーー

そりゃ1作目で駆け足になるわ

続刊もこんな感じ終わるのかな?

続刊も読みたいけど、続きが気なるから

でもなー 交易路完成させるぞーおー いきなりやってきたイジョルニに神の御子取られて、交易路うんぬんの話じゃなくなって、その後の歴史がざーっと書かれて終わりって納得いかないかも

続編でどの辺を描くのか気になる

 

2023年おすすめ本11冊

Xのタグで「#2023年の本ベスト約10冊」というのがあって

コメント付きで紹介します

 

下半期のベストはこちら

hiroku-asaku.hatenablog.com

 

 

11位 わるい食べもの

わるい食べもの (ホーム社)

下半期ベストで入ってた本

コメントも一緒になるけど

著者の食べものについてのエッセイで

面白く読ませてもらったので

 

10位 汝、星のごとく

汝、星のごとく

こちらも下半期から

重たい話が好きな傾向にある私だけど

この本も重たくて、本来ならこの結末は好きではないけど

尊いってなったので

 

9位 エリザベス女王の事件簿

エリザベス女王の事件簿 バッキンガム宮殿の三匹の犬 (角川文庫)

NetGalleyという発売前の本が読めるサイトで読んだ本

シリーズ物で2作目だけど関係なく面白かったので

第一エリザベス女王が探偵役って珍しい

 

 

8位 タイタン 野崎 まど

タイタン

近未来SF。

AI「タイタン」が人々がかつて行っていた“仕事”を代わりにする時代

タイタンの一つが機能低下した。

処理に問題はないあるとすれば、それは”心”。

カウンセリングを行うことになった主人公は果たしてAIの心を治せるのか? 

 

という話

面白かった

 

7位 タラント 角田光代

タラント

新聞連載の話。なのでボリュームが多い。途中で飽きる人もいるかも。

でもボリュームあるだけあって色々話が広く深い

義足の祖父、不登校の甥、主人公の孫(といっても結婚してる)

祖父の過去が涙物

 

 

6位 目の見えない白鳥さんとアートを見に行く 川内 有緒

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく (集英社インターナショナル)

タイトル通りの内容でインパクト大

ボリュームもある

白鳥さんすごい

目が見えないとなって美術館行こうと思わないよ普通は

小説ではなくエッセイ?になるのかな事実だから

 

 

5位 ぎょらん 町田そのこ

ぎょらん

下半期から

ぎょらんという赤い魚の卵、死にゆく人が残すとされる珠を巡る話

 

 

4位 左目に映る星 奥田亜希子

左目に映る星 (集英社文庫)

 

下半期から

 

 

3位 川のほとりに立つ者は 寺地はるな

川のほとりに立つ者は

人との接し方を考えさせられる本

 

 

2位 正しい愛と理想の息子 寺地はるな

正しい愛と理想の息子

男二人、借金を返そうと年寄りを騙そうとするが

 

 

1位 源氏物語下 角田光代

源氏物語 下 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06)

堂々の1位は角田光代さん訳の源氏物語 下巻

5年くらいかけて読み終わった、壮大な物語

読みやすかったけど理解するのに時間がかかる古典物

一度は読んでみたかった源氏物語を制覇出来て嬉しい限り

2023年下半期ベスト約10冊

Xのタグでポストした本について

 

下半期はいい本にたくさん出会えたので、絞り込むのが難しく12冊になりました

本当はもうちょっとあった

 

12位 掬えば手には 瀬尾まいこ

本音を言えばもう少し上位だったけど、滑り込みで読んだので

掬えば手には

11位 神去なあなあ日常 三浦しをん

続編神去なあなあ夜話も良かった

神去なあなあ日常

10位 藍色ちくちく 髙森 美由紀

なかなか手芸の話ってないよね

藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房

9位 雨上がりの川 森沢明夫

森沢さんはコンスタントに読んでる作家さん

ベストに入れたかった

エッセイもおすすめ

雨上がりの川 (幻冬舎文庫)

 

8位 祖母姫、ロンドンへ行く! 椹野 道流

エッセイ?になるのかな

祖母姫さんが素敵

祖母姫、ロンドンへ行く!

 

7位 猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました やーこ

これもエッセイ?かな

笑いが耐えないというかシュールで印象深い本だったので

猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました

 

6位 汝、星のごとく 凪良ゆう

これは入れなければと

ベストに入れてる方も多い

続編も良き

汝、星のごとく

5位 わるい食べもの 千早茜

著者のエッセイだけど面白かったので

わるい食べもの (ホーム社)

 

4位 ぎょらん 町田そのこ

葬儀会社で働く主人公を軸とした物語

インパクト強かった

ぎょらん

 

3位 左目に映る星 奥田亜希子

そうだよね、って心に残る本だった

左目に映る星 (集英社文庫)

 

2位 川のほとりに立つ者は 寺地はるな

ちょっと接したくらいじゃわからないよねって話で良かったので

川のほとりに立つ者は

 

1位 正しい愛と理想の息子 寺地はるな

感動を誘ったこちらがベスト1

1,2位とも寺地さんなのは寺地さんが好きなのでどうしてもランクインしてしまうので

心に響きやすいんです、寺地さんの書く本は

正しい愛と理想の息子

 

 

【読書記録】2023年12月に読んだ本11冊

今年最後のまとめです

年の瀬なのに全くそんな感じしない

 

 

Seven Stories 星が流れた夜の車窓から アンソロジー

Xでタイムラインに流れてきた本

豪華列車のななつ星をテーマに書かれたアンソロジー

 

 

わたしの良い子 寺地はるな

寺地さん著書読破19/23

妹の子を育てる独身の姉・椿の葛藤と子育てについて考えさせられる話。

 

私自身子育てをしてるから思う所はあった

「良い子」ってあくまでも子じゃなくて周りの評価だから都合がいいことに使われるイメージがある。

「良い子」でひと括りにされたくないよなぁ。

 

ぎょらん 町田そのこ

死に際に残す珠「ぎょらん」口にすると死者の残した想いが分かる?!
「ぎょらん」の存在を知った人々の連作短編集。

 

生死に関わる話だから重たい内容。

それで涙も出てくる。
裁かれない罪と思ってる罪は自分の中で解決していくしかないのかな。

 

「夜明けのはて」が良かった。

 

もしChatGPTが文豪や○○としてカップ焼きそばの作り方などを書いたら 爺比亭茶斗

著者名がchatGPTになってる笑

同じシリーズの作り方の方を読んでて面白かったし、chatGPTがどんな風に書くか気になって読んだ。

 

頼み方が面白い。

LINEのやり取りに例えたやつとか、

キリストのお祈りメールとか、

あいみょんの歌詞も面白かった。

マッチングアプリの自己紹介文も面白かったし。

 

有料版と無償版の違いも興味深い。

 

膨大な〜したら集なので、

気になるやつを拾い読みするくらいでいいかも、途中で飽きそうになった。

 

 

ファミリー・レス 奥田亜希子

様々な形の家族の物語。
短編集。

 

「指と筆が結ぶもの」のおじいちゃん良かった。「いちでもなく、さんでもなくて」はちょっと辛かったけどラスト良かった。

 

少しづつ関係のあった人が登場する短編集だった。

 

 

わたしの幸せな結婚 四   顎木 あくみ

謎を残したまま次巻へー ってそれでいいんかい!

はじめての友人が出来たけど・・

すっきりしないなぁ

諸手を挙げて祝福出来ない

 

知られざる弥生ライフ  譽田 亜紀子

知られざる、という印象はなくでも興味深く読ませてもらった。

村を守る溝とか環濠集落の工夫とか、縄文人弥生人の顔の違いとか、米が広がっていった経緯とか。読みやすかった。

 

ルミネッセンス 窪美澄

連作短編集

団地を舞台にした話

Amazonの紹介文には著者のダークサイドで染め上げられた話とある

こういう話書く作家さんだったかな?

「宵闇」が好き

 

掬えば手には 瀬尾まいこ

人の心が読める大学生・梨木 それがバイト先の常盤さんの心は読めなくて?!

とても良かった。

店長の暴言と梨木君のやり取りが何故か面白く笑えてきて。

「普通」「平均」でいることの辛さみたいなのが描かれてた。

後日談も読めて嬉しい。

タイトルの意味なんだろう

 

砂に泳ぐ 飛鳥井千砂

もがく女性の25歳からの10年を描く
恋愛に仕事に
自分のしたいこととは何なのか
私も何かしたくてもがいて 決めたのが30歳の時だった
ターニングポイントでキリがいいよね
砂丘と言えば鳥取だけど 他に砂丘ってあるのかな?
はじめましての作家さんだったけど良かった
 

 

コメンテーター 奥田英朗

17年ぶりに伊良部節を聞いて安堵したというか、やっぱり伊良部先生は変わらない。

コロナ禍でも絶好調。

でも次々くる患者はきちんと治してる。

次作はあるのかなーこのまま続けて欲しい。

 

 

寺地はるな著書一覧

見たところ一覧がなかったので自分メモ
間違ってたらすみません
短編集などは除く
 
単行本
  1. ビオレタ 2015年6月 ポプラ社
  2. ミナトホテルの裏庭には 2016年2月 ポプラ社
  3. 月のぶどう 2017年1月 ポプラ社
  4. 今日のハチミツ、あしたの私 2017年3月 角川春樹事務所
  5. みちづれはいても、ひとり 2017年10月 光文社
  6. 架空の犬と嘘をつく猫 2017年12月 中央公論新社
  7. 大人は泣かないと思っていた 2018年7月 集英社
  8. 正しい愛と理想の息子 2018年11月 光文社
  9. 夜が暗いとはかぎらない 2019年4月 ポプラ社
  10. わたしの良い子 2019年9月 中央公論新社
  11. 希望のゆくえ 2020年3月 新潮社
  12. 水を縫う 2020年5月 集英社
  13. やわらかい砂のうえ 2020年7月  祥伝社
  14. 彼女が天使でなくなる日 2020年8月 角川春樹事務所
  15. どうしてわたしはあの子じゃないの 2020年11月 双葉社
  16. ほたるいしマジカルランド 2021年2月 ポプラ社
  17. 声の在りか 2021年5月 角川文庫
  18. 雨夜の星たち 2021年6月 徳間書店
  19. ガラスの海を渡る舟 2021年9月 PHP研究所
  20. タイムマシンに乗れないぼくたち 2022年2月 文藝春秋
  21. 川のほとりに立つ者は 2022年10月 双葉社
  22. 白ゆき紅ばら 2023年2月 光文社
  23. わたしたちに翼はいらない 2023年8月 新潮社
 
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