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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

信じがたい結末(白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 9  小野 不由美)

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 9  小野 不由美

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)

嘘だと言ってくれ!信じがたい結末

 

白圭宮に居る泰麒、本当に泰麒かどうか疑う阿選と取り巻き達

もし本当に泰麒なら、阿選が新たな王だというのなら王が泰麒を切っても使役達が襲ってこない筈

と阿選が泰麒を切ります

 

使役達が襲ってこないのは当然

泰麒は使役を失ったから

でもその事実を知らない阿選たち

だから切られても泰麒の思惑通りに、阿選が王だと自らが台輔だと証明することが出来た

そのかいあって、泰麒は白圭宮に居ることを認められたのだった

 

傷が癒えぬうちに泰麒は州候としての立場を取り戻そうと奮闘します

が、きつく言ってものらりくらりとかわされて一向にことが進まない

ついに州宰の士遜(しそん)を罷免し恵棟を任命したのだった

 

一方の李斎と去思、鄷都は、驍宗の持ち物が拾われた山・函養山(かんようざん)の手がかりを探すため琳宇に居た

函養山は土匪と呼ばれる集団に占拠されており、その土匪に関する情報を集めるも

噂話に過ぎないものばかりだった

ならばと、函養山にも行く巡礼・白幟(はくし)のフリをして登ることを決意

その道中物取りに絡まれ武力行使したところ、土匪の朽桟(きゅうさん)に問い詰められる

あっさりと白幟でないことを見抜かれ、おまけに白幟であれば知ってて当然のことすら知らないと知られる

李斎もお尋ね者の将軍ではないかと知られるが、案内をしていた建中が現れて白幟でない人探しをしていると告げる

王師の残党だと思われた李斎ら一行は、土匪の朽桟が6年前起こったことを知る

 

こうして土匪の頭だった朽桟により6年前の騒動の一端が語られる訳だが

一向に驍宗の手がかりは見つからない

噂を集めてなおも捜索していると、神農の老人・習行(しゅうこう)が気になることがあると言って尋ねてきた

老安という里でここ6年間傷薬を多く使用しており、だがこれといって重症となる怪我人は見当たらず、おかしいと思っていた。ところがその傷薬がもう必要なくなったと言われ、代わりに剣か槍を五振り用意して欲しいと頼まれたという。

早速向かう李斎達だったが・・・

 


泰麒が凛々しくなって、毅然と対応してるのを見てなんだか感慨深い

それにしても琅燦(ろうさん)だったかな? この小娘めっ 余計なことを

手荒ではないか、泰麒を切ってみればいいなんて

容赦ない斬撃で、泰麒がーーー!!ってなった

阿選も、急所は外しているとはいえ深手を負った泰麒

それでも民のことを案じて、なんて健気というか、それが麒麟というものなのか

 

一方、驍宗捜索が思うこと進まずジリジリさせます

こんなのいらないんじゃないかという、もはや驍宗に会いたくて無事を知りたくて気がせいてしまいます

 

でも後になったらきっとわかるのでしょう

この一見いらないと思うことも必要だったのだと

土匪の頭・朽桟の生い立ち、土匪になりたくてなったわけじゃない過去

土匪たちの暮らし

3・4巻に続きます


ここからネタバレ

 

驍宗が死んでしまった??

白雉は落ちてないというか、落ちたという記述がないけれどその辺りは次巻なのかな

信じたくない

けれども、白髪に赤い目をした武人と言えば驍宗くらいなもんだし

でも亡くなる前に呟いた、「せめて台輔を」という言葉

驍宗は泰麒のことを蒿里と呼んでいた

それは泰麒の前でだからかもしれない

民の前で蒿里と呼んでも、泰麒だとはわからないから台輔と呼んだのかもしれない

主上と呼ばれて振り返りはするものの、自らが王だとは認めなかった

他にも、傷が治らないうちに剣を打つ練習をしたり、止めても「誰かが民を救わなければならない、そのために鴻基(こうき)に行かなければならない」と言ったり

続きが気になる

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