広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

就活生のあれやこれやの葛藤を描く(何者 朝井リョウ)

就活生のあれやこれやの葛藤を描く

 

あらすじ

劇団で脚本を書いている主人公・拓人は、バンド活動をしている光太郎とルームシェア

友人の瑞月はもう就活をはじめている

上の階に住んでいるという成り行きで、瑞月の友人・理香と共に就活の準備を始めることに

主に理香の部屋で準備をするが、何かと冷めた意見を述べる理香の彼氏・隆良

相槌だけをうっている光太郎

大人な対応をする瑞月

俯瞰している拓人

それぞれの思いの中、就職に向けての準備を進めていく

 

感想

人物紹介の時点で、Twitterっぽいプロフィールだったから

これはもしかしなくとも、ネット関連のいざこざかしら~なんて思っていた

あながち間違いではなかったけれども

自分とは違う何かになりたくて、本名ではない名前で呟いたり、こうやってブログを書いたりして、普段言えないことをキャラじゃないとか立場とか取っ払って言える「場」がある

「場」があって、同じ境遇とか趣味の人と繋がれる環境は恵まれてると思う

ネットがなければ、同じ思いの人が他にもいるなんて簡単には共有出来なかったから

 

本文の中で印象的なのが光太郎のセリフ

「それと同じでさ、ピーマンが食べれないように、逆上がりができないように、ただ就活が苦手な人だっているわけじゃん。それなのに、就活がうまくいかないだけで、その人が丸ごとダメみたいになる」

だよなー

自己アピールとか志望動機とか、上手いこと言えない人だっている

彼等はいいほう。だって仲間が居た。相談し合える。相談してるエピソードはなかったけど

私だって苦手だった。エントリーシートとか

作文は得意だったけど、面接が苦手で。ガチガチに緊張してたなぁ

今となっては、力入りすぎてたんだなぁぐらいにしか思わないけど当時はそうとう一生懸命だった。

 

何者

何者かになりたくて、でもそうじゃなくて

ダメダメな自分を受け入れて、いいとこも見つけてありのままの自分を見つめることが大事なんだという作品でした

 

第148回直木賞受賞作品

何者

何者

 

 

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