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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

レンジャーとして独り立ちする少年の話(アラルエン戦記 (1) 弟子/ジョン フラナガン)

アラルエン戦記 (1) 弟子/ジョン フラナガン

アラルエン戦記 (1) 弟子

あらすじ

孤児のウィルがレンジャーとして弟子入りし手柄を立てるまでを描く

アラルエン王国レイモンド領の領主アラルド公により孤児院を城に設けていた。その孤児院に住むウィル。15歳になった時にある「選択の日」に緊張で食事を取れないほどになっていた。

「選択の日」とは孤児院を出て働き先を決める重要な日で、ウィルは戦闘学校に入りたかったが背が足りておらず、選択の日に選ばれなかった子が行く農家に行くのではないかと危惧していた。

いよいよ選択の時、同じ孤児院仲間たちは順調に選ばれていったがウィルはやはり戦闘学校には入れられず、ウィルがどの職業につくかは持ち越しとなった。その際に一言申し出があったことが気になったウィル。レンジャーのホールトがアラルド公に書付を渡していたのだ。その内容を確かめるため夜中に誰に気づかれることもなく壁をよじ登り、あと一歩というところでひそんでいたホールトに捕まる。自分がしたことがどんな罰を受けるか知っていたウィルは縮こまってしまう。アラルド公に引き渡されたウィルは最後に書付の内容を知ることが許された。

そこにはウィルをレンジャーとして弟子に取ると書かれていたのだった。こうしてウィルはホールトの弟子となり、レンジャーの修行をすることになった。

 

感想

レンジャーというのは人知れず影に潜み景色に紛れ隠密行動を取り、弓とナイフで攻撃をする職業の人。なんだかゲームで言うところのアサシンや日本で言う忍者みたいなそんな存在。

ウィルは順調に修行をしているが、本文中では同じ孤児院で育った仲間の一人ホラスの修行生活も同時進行していた。彼はたくましさから戦闘学校に入っており厳しい訓練を受けていたが、それだけではなく上級生からの陰湿な暴力を受けていた。ホラスはそれをさして疑問に思わず戦闘学校とはこういうものかと甘んじて受けていた。なんでそこで声をあげなかったのか地団駄踏みたい。優秀な才能を持っていることに気付いた人物も居たが、彼が影でいじめという暴力を受けていたことなどつゆ知らずただ乱暴に喧嘩好きだと思っていた。校長ともあろう方が、やはり身近な存在でなければ気が付かないのだろうか。そしてスカッとする出来事が起こる。猪退治で命を張ってホラスを救ったウィル、このことで戦闘学校の上級生に目を付けられた。暴力を振るわれていた時(3人がかりで!)そこへ駆けつけたホールト。こてんぱんに上級生をやっつけて同じく駆けつけたホラスも参戦して、大団円!いじめていた3人はホールトが戦闘学校に事の次第を伝えたことで、城からも村からも追放されたのだった。それからホラスは勉強も身が入り万事解決。ウィルと以前は喧嘩ばかりしていたがそれも新たな友情が芽生える。

アラルエン王国にも悪役が居て、以前王座を狙って返り討ちにあったモルガラス。彼は復讐の機会を狙っていた。密かにウォーガルという人のようで獣地味た生き物を使役し、軍団をつくっていた。そしてカルカラというウォーガルよりも恐ろしい獰猛な獣2頭を所持していた。

モルガラスの行動を監視していたレンジャー一行がモルガラスの不審な動きに気付き、狙いを探っていた。ホールとはその狙いが国王ダンカン王にあると踏んで、ウィルに領主アラルド公にこのことを知らせるよう伝えた。アラルド公にダンカン王が危険だと知らせたウィル。もう一つの可能性を示唆した。それはホールトを狙っているのではないかということ。ホールトは以前王座を狙った際に、奇襲をかけたがホールトがその危険を察知し防いだことで恨みを買って狙われているとウィルは領主に告げた。確かにその危険もあると急いでホールトの元へと向かう一行。たどり着いた先で待っていたのは、カルカラに追われるホールトだった。アラルド公も助けに入るがカルカラの一撃で危機的状況、炎が苦手だというカルカラを攻撃しようとウィルが取った行動とは!?

なかなかの腕前ですウィル。硬い毛皮に覆われて並の弓では貫通しないところを、火をつけた弓で射ってみんなの窮地を救ったのだから。

でも個人的にはホラスがウィルを助けに来てホールトがこてんぱんにしてくれたシーンがお気に入りかな

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