広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

絵の競い合い(源氏物語 絵合 17 角田光代訳)

源氏物語 絵合 17 角田光代

源氏物語 上 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集04)

あらすじ

冷泉帝の妻となった、2人の絵を競う催し

朱雀院は前斎宮の入内を残念がってはいるが、人の手前手紙を送ることも無くなっていた。しかし、入内の日になって、みごとな装束の数々、櫛などの化粧道具が入った箱、幾種もの薫物や薫衣香などめったにないものを前斎宮に送った。そして和歌もくくりつけてあり、まだ前斎宮への気持ちも残っていることを光君は知る。どうにもならない恋ばかりする自分に当てはめて、気の毒に思っている。

一方冷泉帝。前斎宮のことは、人柄も女らしくて気後れするほうだとは思うが、頭の中将の娘、弘徽殿女御とはなじみがありよく弘徽殿女御のいる住まいの方を訪れる。

そして冷泉帝は何にもまして絵に興味を持っていた。特別好んでいるからか、自分も絵を書く。前斎宮は実に見事に絵を書くので、帝はこちらに関心を持ち、しょっちゅう訪れてはいっしょに絵を書くようになった。それを聞いた頭の中将は負けん気から、名だたる絵師を呼び寄せて絵を書かせている。そしてそれをみた帝が、前斎宮にも見せようとするが、それを許さない頭の中将。

その様子を聞いた光君が、持っていた絵を紫の上と一緒に選んだ。そして須磨と明石で書いた絵を、この機会にと紫の上に見せた。

光君が絵を集めていると聞き、頭の中将はますます熱心に、軸や表紙や紐飾りといった装飾を立派に整えた。

3月にはこれといった節会もないので、ならばいっそと帝にたのしんでもらえるようにと、催しをして献上しようと光君は思いついたのだった。

かくして、弘徽殿女御と前斎宮との絵の競い合いがはじまった。

 

感想

頭の中将・・・今は権中納言だけど、張り合おうとする心。に思わず笑ってしまう。

そして絵の決着が、光君が書いた須磨の絵ってwww どれだけ持ち上げればいいの?光君は。名だたる絵師たちより、優れてしまう光君。どんな天才だよって突っ込まざるを得ない。

あとは、朱雀帝ね。朧月夜に恨めしげに光君とのことを言っていたかと思って、一途な人なのかなって思ってたら。前斎宮への気持ちも捨てきれず、未練がましく歌を送っちゃって。可愛いという意見もあるけど。確かに、いじらしいけど。でもなぁ・・・

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