源氏物語 松風 18 角田光代訳
あらすじ
明石の姫君がついに京へとやってきます。
二条院の東の院も立派に建てられ、花散里を移り住まわせることになった。
東の対に明石の御方を住まわせる予定にしている。北の対は広くあり、光君と愛を交わした姫君たちがいっしょに住めるように部屋ごとに仕切りをおいてある。
明石にはたえず手紙を送り、心を決めて上京するよう伝えてあるが、御方はやはり自分の身の程をわきまえていて思い悩んでいる。
昔、明石の母君の祖父で中務宮というひとが所有していた所が、大堰川のあたりにあり、長年ほったらかしになっていたので荒れ放題になっていた。そこを入道は管理し住めるように管理人に頼む。
その大堰は光君が御堂を建てている場所に近く、なにかと物騒がしくなっていた。
入道が大堰のことを光君に告げると、惟光に頼み様子を見てきて欲しいとした。
惟光によると景色もよく明石を思い出させるような場所だという。それならば明石の御方にふさわしくはないところだと思う。
光君はごく親しい家臣を内密に明石に遣わせる。逃れようのない姫君は、上京することになる。
無事に大堰へと到着した明石の御方と母君。光君は親しい家司に命じて、無事を祝う宴の用意をさせる。が光君が行けずじまい。
上京をしたものの、光君が一向に訪問がないのをさみしくおもう明石の御方。
昔とはすっかり変わって尼の身となり帰ってきた山里に、かつて聞いたことあるような松風が吹いています。と母君が読んだ。
光君は、だんだん落ち着いていられなくなって紫の上にこれこれこういう訳でとあらかじめ断りを入れる。紫の上は少し嫉妬をし、光君はご機嫌を取る。
夕暮れ時に大堰へ着いた光君。はじめてみる姫君に平静でいられず感激する。
明石の御方に、「ここへくるのも難しいから、やはり私の考えているところへうつりなさい」と言う。明石の御方は「まだとても都になれていないので、もうしばらくは」とまだ移る気配はない。
明石の御方はあの時光君から貰った琴を差し出す。光君はなんとなくものさみしく思っており、かき鳴らす。
約束した通りに今も変わらないこの琴の調べで、あなたを思い続けていた私の心の深さはわかったでしょう。と光君。
心変わりはしないというお約束の言葉と琴を頼りにして、松風の響きに琴の音を合わせて泣いておりました。と御方。
以前よりずっと女らしく成熟し、うつくしくなった顔立ちや物腰に見捨てていけそうになく、また幼い姫君はいつまで見ていても飽きることはない。
翌日、帰ろうかとしていた矢先、頭の中将らがやってきて、宴になる。
感想
光君の東の院、まるで大奥みたいｗｗ
でも一度関係を持った人たち含め、みんな呼び寄せて世話してあげる光君は太っ腹というかやさしいというか
気が多いだけの責任は果たしている
そうして明石の御方の姫君。終わりに紫の上に、引き取って育ててはくれないかなんて頼んじゃったよ。明石の御方の立場は？正妻じゃないから引き取られちゃうの？子供。かわいそうになってきた。
