緑のなかで 椰月美智子
あらすじと感想の入り混じったなにか
まさに、『緑のなかで』暮らすという表現がふさわしい
緑のツタで覆われた、緑旺(りょくおう)寮で寮生活を送る大学生の啓太
寮自体は自治寮となっており、各種委員会や部活動も盛んな様子
緑旺寮は、運営のすべてを寮生が行う自治寮となっている。部の他にも、各種委員会、有志団体、棟ごと、ブロック部屋ごとの集まりがあり、活動は多岐にわたる。
啓太は環境清掃委員会の他に、寮内の卓球部会に所属している。
緑のなかで p14
そのなかで、特に決まってつるむ相手は居ないようだが
ちょいちょい登場するのが、早乙女という人物
啓太の高校時代の友人である寿に似ていることや、相手が啓太を気に入っているのか、アルバイトの家庭教師の代理を頼んだり、他の用事をお願いしている場面もある
高校時代、生徒会で仲良くなった会長の寿、幼馴染の真帆、教師志望の百瀬とは今でもLINEでやり取りする仲で、度々登場する
啓太は寮内の卓球部会以外にも
Ambitionというオープンキャンパスなどの時に案内をする団体や
フィールドワークという名のハイキングサークルGreen Grass
へ所属している
後は宅配便業者で荷物の仕分けのアルバイトもしており
とにかく、活動的な啓太(自身では、真面目で消極的と思っている)
それと同時に寮内も先程述べた、委員会や執行部やらが季節ごとにイベントを開催して、とてもにぎやかで楽しげな様子が伝わってくる
これだけ、色々部活にサークルに団体にと活動していたら
さぞかし大学生活が楽しかろうと思えば、自分とはなんぞやと悩んでいたりするのだった
他にも、双子の弟・絢太への葛藤、母親の突然の家出
などに悩みながら、寮生活を続けていく
進路に関しては高校時代に、自分のなりたい職業を真帆のアドバイスもあって橋の建設に携わりたいと思い、今の大学に決めた
なので進路に関しては思い悩むこともないが、時折ふと自分という存在について考える
サークルのメンバーたちとの絡み、彼女を作ることに全力投球だが、小説家にもなりたという主に間島先輩との絡み
や四季折々の寮の移り変わり、寮のツタの変化
寮生の息遣いが見て取れる
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