あらすじ
源氏と仲の良い
手紙を読んだ流れから、どんな女性が良いかという話題になり
それぞれの恋愛話に移る
家柄がよくても、性格がよくなかったり
性格が良くても、家柄がよくなかったりするので
左馬頭は「まじめで素直な人を妻にするべき」だという
そんな左馬頭は過去、容姿は悪いが何かと気がつく妻がいた。だが、その人一筋とは考えておらず、他にも恋人がいた。そのせいで妻は嫉妬し、その嫉妬が煩わしい左馬頭は「嫉妬さえしなければ、良い夫でいるのになんで黙っててくれない」と言った。妻は「我慢しさえすればいいとおっしゃるなら、別れるまでです」と言って家を出ていった。左馬頭はどうせ別れられるはずもないと、手紙もよこさず家にも帰らず好き勝手していた。ある日、家へ戻るとまるで自分を待っていたかのように、着物も温めて寝る準備もしてあったので、妻がいるだろうと期待していると妻はいなかった。それどころか「一夫一婦にならない限り戻らない」と言う。そう言われても左馬頭は断固として譲らずいると、妻は精神的にまいって亡くなってしまう。
今思えば、仕事のことも話せたし、家庭のこともきちんと成し遂げていた妻が恋しそうであった。
次に頭中将の話
それほど長い関係になる予定もなかったが、馴れると惹かれ、たまにしか通わないが女の方も自分を信頼するようになった。
極たまにしか通わないのに、それについて文句も言わず穏やかな人だった。そのことについて中将の家のものに嫌味を言われて、中将自身も通わず手紙もよこさずいると歌をおくってきた。「時々には情けをかけて下さいな。この撫子の花(我が子)の上に」と
いざ会ってみると、特に恨みもせず穏やかに接してくれるので安心して帰った。が、しばらく通わずにいると消えてなくなってしまった。
源氏はその話に加わろうともせず話を聞くだけで、藤壺の宮に思いを馳せていた。
左大臣の家に帰って休もうとするが、中神の通り路になっていて駄目だと言われ
家従の
紀伊守の家には父親の
その夜中々寝付けない源氏は、娘の居る場所を探って、冷ややかな応対をされるも構わず口説き一夜を明かした。
感想
与謝野晶子訳は和歌の解説があんまりないので、少し残念。
和歌の意味を知ろうとしたら、瀬戸内寂聴訳とかを読んだほうがいいのかもしれない。
この話は、梅雨の頃また五月雨が降っていた時の話からか
『雨夜の品定め』とも言われているそうな
いわゆる、男たちの恋バナだろうか
あぁでもないこうでもないと
自分たちのことはさておき、女性のことについて花が咲くのは
いつの時代も変わらないのかもしれない
肝心の光源氏だが
初めての相手なのにいきなり人妻選んじゃう所が凄い
『自分が人妻じゃないときに出会っていたなら、答えられたかもしれないけども、今はもう駄目です。』
と言って断られているのにも関わらず
泣きながら、『今後どうやってあなたと文をやり取りすればいいのだろうか。今夜のことだけをいつまでも思いながら泣けばいいのか』と答えてしまう。
その後も、娘の弟を使って手紙を送って返事を貰おうとする
女の方はなんとしても返事はよこさない考えで、しまいには居場所も別のところへ移動してしまう。
ところで、この題名の「帚木」ははきぎ
だけども、最後の歌にしか出てこない
意味は
近づいても逢ってくれない人、逢えそうで逢えない人の喩え wikiより
だそうな
なるほど、女の人を例えた名前だね
桐壺もそうだったけど、通称みたいな感じかな