広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

今流行りのカラーコーディネートを題材にした作品。(見た目レシピいかがですか? 椰月美智子)

見た目レシピいかがですか? 椰月美智子

見た目レシピいかがですか?

あらすじ

巷で話題のカラーコーディネート。

百貨店などで受けることが出来る、自分に似合う色についての診断。

メイクから服、髪型に至るまでを診断して、実際に服の購入まで一緒にしてくれるというサービス。

本作はカラーコーディネートを受けた3人の女性が代わる代わり章の主人公となる。

『純代の場合』

主婦が娘にダサいと言われたことがきっかけで、自分の身なりを気にするようになる。
いとこがカラーコーディネートを受けて、それまでとは雰囲気が違い垢抜けている姿に自分と比較する。似たタイプのはずなのに・・・と。いとこの勧めで、カラーコーディネートを受ける。
「きらきらの人」とママ友を区別している純代が、カラーコーディネートによって意識も変わる所が見もの。

『あかねの場合』

結婚して一人息子がいるあかね。同窓会でかつていい雰囲気になっていた、同級生森村と再開。お互いかつて惹かれ合っていたことを忘れておらず、不倫関係になる。だが、森村の私服がありえないほどだったのだ。カラーコーディネートを勧めて見違えるようになった森村。加速する2人の関係。
お互いが結婚しているが、森村の熱の入れように着目。おもしろい結末となる。

『美波の場合』

メタルロック好きの美波。ファッションも黒やドクロなどを取り入れ、刈り上げたヘアスタイルをしていた。熱を入れていたリザードシャドウというバンドのPR記事を書いていたことから、リーダーの赤坂に交際を申し込まれる。付き合い始めた2人。クリスマスイブにイメチェンした姿を見せたいと、カラーコーディネートを申し込む。
似合うものと着たいものの違いに気付く、話。

『繭子の場合』

カラーコーディネーターの繭子。彼女の子供時代から現在までを綴る章。
子供の頃は男の子に混じって駆け回る、じっとしていられないタイプの子供だった。父親の都合で海外に行くことが多かった繭子は幼い頃から客室乗務員に憧れがあった
。無事客室乗務員になった後、結婚、出産を機に退職。かねてから人を見抜く力があた繭子は第一印象と変わらない印象で接客できていた。それに、第一印象を良いものにすれば周りに与える影響も違ってくる。そのことに気付いていたため、カラーコーディネートの講師養成講座を受けようとしたのだった。

 

感想 

繭子が子供時代わんぱくだったのが意外。本文中では、ウィットに飛んだジョークを会話に入れたり、空気を読む術に長けていて、流石は元客室乗務員。という雰囲気だったのに(笑)

あとは『繭子の話』で登場する、アンチ客との攻防も見もの。
そうだよね、確かにみんながみんな、はいはいって受け入れられたら商売楽よねぇと思いながら、説き伏せる繭子に流石は元客室乗務員(2度目(笑))となってしまいました。

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