鎌倉うずまき案内所 青山 美智子
アンモナイトが導く糸口
あらすじ
令和から昭和へと戻っていき、最後はもとに戻る短編集
早坂は会社を辞めたいと思っていた
黒祖ロイドという作家のインタビュー記事を書くために古民家カフェ「メルティング・ポット」に来た早坂達
待っていたロイドがたばこを切らし、買ってくることを自らが言い出してカフェを出た
だが、道に迷ってしまう
閉まっていた時計屋の端に書かれた看板「うずまき案内所」を頼りに階段を降りていく
ぐるぐると階段を降りていく、壁の色もだんだんと青濃くなっていきたどり着いたのは
一面濃紺のスペースだった
そこには双子の老人が居た。自らを外巻・内巻と名乗り、前髪ともみあげがそれぞれ外巻と内巻だった
「はぐれましたか?」と問われ
自らの悩みを打ち明ける早坂
それを聞いていた老人は「ナイスうずまき」と言い、壁に掛かっていた巻貝が動き出す
それはアンモナイトだった
そのアンモナイトによると「変化を恐れず味方につけよ」と言っている
わけも分からずうろたえる早坂に、老人はかめのぞき色の甖を早坂に見せる
覗き込むと何故か蚊取り線香が浮かび
それが早坂を助けるアイテムになると老人は言う
お帰りはこちらと、うながされるまま帰らされる早坂に目に止まったのは「困ったときのうずまきキャンディ」だった
一人一つずつというので一つもらって帰る
随分時間が経っていたのに、戻ると時間は経っていなかった
そして辞める原因ともなった上司と話した時
意外な思いを知って・・・
===
感想
いやー良かった
読む前から、これは良さそうと思ってた
読書メーターで感想を見ていたから
でも良かった
何が良かったって、特に3話感動して泣いちゃった
2話はゾワッてした、いい意味で。こう繋がるのかーって感心した
ひとりとして脇役がいなくて、誰もが話の中心人物になって
この話でちらって出てたあの人がこの話では主人公でってのがあった
上手く出来てる
令和から昭和へ、昭和から令和へバトンがキレイ
話の繋がりもキレイ
アンモナイトが所長で預言者だけど、口頭で伝えるおじいさんが預言者なのかな
一回だけ、アンモナイトの訳でああでもないこうでもないと双子のおじいさんが言い争ったけど
あれはどっちでもいいという受け取り方かな
結果的にいうと、あの女性の心を映し出してたのではないのかなーと思う
でもロイドの本を読んで、怖がっていたことに気付いて、無事前に踏み出せて本当に良かった
不思議系かな
どの話にも登場する、いつも閉まってる時計屋さん
あれがタイムマシン?
年を取らないおじいさんたちとアンモナイトの家
舐めたら何かが起きるうずまきキャンディ
初読みの作家さんだけど、他の作品も読んでみたくなった
おすすめです