広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

高校吹奏楽部が舞台の話(屋上のウインドノーツ 額賀澪)

屋上のウインドノーツ 額賀澪

屋上のウインドノーツ

 あらすじ

たった一人の友達・瑠璃にいつも助けられてばかりの少女・志音

離婚した父親とたった一度だけ会った時から

瑠璃に対してもやもやとした気持ちを抱くようになり

それまでずっと同じ幼稚園・小学校・中学校と進学していたのを辞めて

県立の行方第一高等学校へと進学した

父が過労死した後、遺品であるドラムセットは志音母子が引き取ることになる

そのドラムセットで練習し、高校でも友達を作れず馴染めずに

昼休憩の際、給水タンクと錆びた柱をつかってエアドラムをしていた

そこへ、部員数が少なく新入生を探していた部長の大志がやって来る

エアドラムの音色に惹かれた大志が、必死に勧誘するが

「無理です」「他の人をあたってください」と断る

諦めきれない大志が、再び志音の元へと訪れるが・・・

 

感想

少ない部員数で、コンクール出場を目指し、ひいては東日本大会へ

と意気込む吹奏楽部で

問題を抱えた少女と、過去に一悶着あった部長の

部活の話です

 

志音の父は、学生時代からバンドをやっていて

歳を重ねるごとにメンバーが居なくなっていって

解散してしまったが

母から志音がそのうちふらっとどこかへ行ったきり帰ってこなくなりそう。

などと聞いて、もう一度バンドを再結成した

そのバンドはアマチュアから、ついにメジャーデビューすることが決まり

テレビに主演すると、志音に会った時に伝えた

 

そんな父親譲りのドラムの腕前を部長に見出され吹奏楽部に入ることになった

志音

金魚のフンみたいに瑠璃にいつもくっついていられないと

父親に会った時に、何か感じたのでしょうか

父親がなくなった後、偶然見つけた父の日記に書いてあった

「志音、大志を抱け」

バンドの名前も「like this old man」

由来はクラーク博士の『Boys, be ambitious like old man』この老いぼれのように、君達若者も野心的であれ

 

瑠璃と部活の講習会が行われる高校で再開した際に

変わった志音に対して、変わらない態度で接する瑠璃に

志音が苛立ち、怒鳴ってしまいます

一時はどうなることかと思った二人の関係が

その後もお互いが歩み寄る形で、ぎこちなくても仲良くしようという

気持ちにほっとしました

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