広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

前向きになれる話(ペンギン鉄道なくしもの係 名取 佐和子)

ペンギン鉄道なくしもの係 名取 佐和子

ペンギン鉄道なくしもの係 (幻冬舎文庫)

 あらすじ

ペンギン鉄道 なくしもの係こと大和北旅客鉄道波浜線の遺失物保管所にまつわる4編が収録されている

なくしもの係には一羽のペンギンが住み着いていて、時折電車に乗ってどこかに行っていたりする。ちゃんと戻ってくるのでご心配なく。そしてそのなくしもの係のただ1人の駅員、赤髪の若い男性職員守保(もりやす)。彼がなくしもの係を管理している。そこへ電車内で落とし物をした人がひとりふたりやってくる。

 

猫の骨壷を忘れたが、まったく同じ鞄に骨壷が入った落とし物がもう一つ届けられたことで、どれが自分の骨壷変わらなくなった(猫と運命)

オンラインゲームを長年している引きこもりの少年。同じプレイヤーが引退することになり、レアアイテムの武器をくれる代わりにお使いを頼まれ、その道中にはじめてもらったラブレターを無くしてしまった(ファンファーレがきこえる

ひょんなことから流されるままに嘘をついてしまう主婦とスーパーの店員である夫。出かけた先で拾ったマタニティマークのキーホルダーを勘違いした夫に妊娠していると嘘をついてしまう。(健やかなるときも、嘘をつくときも)

息子が出ていってしまい、偶然見つけた先に迎えに行く熟年夫婦。時間つぶしでみかけたペンギンの跡を追うことにした夫。ペンギンが向かった先は水族館だった。(スイートメモリーズ)

 

感想

第三章の健やかなるときも、嘘をつくときもが印象的だった。
なんか嘘をつく度にいけない方向に行ってるみたいで、どうか踏みとどまって欲しい。本当のことを話すんだーってヒヤヒヤした。

ペンギンは特に何をするわけでもなかったけど、つかの間触れ合うことで何か登場人物たちの心にいい影響を与えてるといいなぁと思う。個人的になくしもの係の守保さんがいいキャラしていると思う。彼の過去も壮絶だったけど、命を救ってくれた人に再開できて全てがまるっとスッキリ解決する最終章は涙がウルウルした。

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