広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

和歌で想い人にかまをかけた(源氏物語 花宴 林望謹訳)

源氏物語二 花宴(はなのえん) 林望謹訳

謹訳 源氏物語 ニ

謹訳 源氏物語 ニ

 

 

あらすじ

2月の20日過ぎのこと、宮中紫宸殿ししいでんの南側にある左近の桜の花を愛でる宴が催された

そこには、藤壺の宮も源氏もいた

宴の最中、藤壺はどうしても源氏が気になってしまうが、あまりよろしくないことだと心憂いでいた

そんな心中を知ってか知らずか、源氏は宴が終わった後もそのまま帰ろうとせず

美しい月夜のもと、なにもせずこの場を立ち去り難くなってしまった

もしかしたらという気持ちで、藤壺の宮の居るであろう場所をこっそり伺ってみた

が、しっかりと戸締まりをしてあって誰も居ない

そうして西側辺りをふらついていると、3番目の戸口がふと開いた

開いたことをいいことに、誰もこちらへやってこないので、そのまま奥の方へと進んでいった

「こんなときに、男女は間違いをしでかすものだが・・・」と一人思いながら、女房たちのいる場所を覗いてみた

皆寝静まっていたが一人、若く麗しい声が聞こえてきた

どうやら、そうとうの身分の姫らしいが・・・

 

感想

源氏・・・おまえ・・・

言葉が出ませんね

藤壺の宮、が居ればいいと思ってこっそり忍び込んだ先で

朧月夜の君と勝手に名付けた、姫を口説くのだった

もう、節操なさすぎですね

これがあと56まであり、今8番目ですので48回ありますね

その当時は、恋愛がオシャレだったとうた恋いにもありましたが

確かに、身分も高いし、美しく、何をやらせても天下一品

そんな男性に口説かれて、ひとときのランデブーを過ごすことに

ときめきを覚えた、かもしれません

が、限度がありそうです

ですが、数々の女性を相手にするだけあって、源氏の和歌のセンスや

口説くセリフは現代にも通じるものがあるかもしれませんね 

 

さて、藤壺に会えないからってナンパした朧月夜の君

なかなか、名前を教えてもらえず、朝が来て

扇を交換し一旦別れますが

再び、会う再会シーンが見ものです

とっぷりと日が暮れた頃

右大臣の屋敷に桜を見に誘われた源氏が

この屋敷に朧月夜の君が居るだろうが、居場所がわからず

会いたいがため、かまをかけることにした

それも和歌で、扇を交換したことをわかるようにして

それに反応した、否、反応しなかった人の気配をたどって手を取るのである

 

やるな・・こやつ・・

女側からすれば、ドキッとするシーンでもあります

こんな風に自分に会いに来られたら、源氏ならなおさら好きになってしまうでしょう

 

これまでの記事

hiroku-asaku.hatenablog.com

 

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