傷ついた少年が、周りに目を向けて前を向くまでの話
あらすじ
愛知県の奥三河という場所に引っ越すことになった、中学二年生の潤。
クラスメイトは潤含めて4人、という少数学級。
小学校と中学校が併設されており、最上級生に当たる中学二年生のクラスメイトたちは、小学生の揉め事も授業の最中にかかわらず仲裁に入っていた。
この花祭り、老若男女問わず参加し、県外からの見物客も訪れる大変賑わいのある行事であった。
しかし、いきなり都会から田舎に引っ越してきて馴染めない潤は、花祭りの練習にも参加せず、かといって家でも祖母や母親との関係に悩み居場所がなかった。
ある日学校でもいざこざを起こし、家でも母親と喧嘩をした潤は、がむしゃらに山道を駆け行き意識を失ってしまう。
感想
老人とハナ、潤という構図のシーンが特に好きだった。
干渉しあうわけではないけれども、突き放しているのではなく認められているような雰囲気。潤もここでなら『自由に呼吸ができる自分を感じた』と思っていたし。
ここで老人とハナと接することで、癒やされて周りを見るきっかけになったんじゃないかと思う。
結局、自分自身で立ち直らなければ、気付かなければ乗り越えられないのかもしれない。周りは手助けはできるけど、それだけなのかもしれない。