広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

ほのぼのターンとシリアスターンが交互に迫るファンタジー:鹿の王 上 上橋菜穂子

 鹿の王 上 上橋菜穂子

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
 

 鹿の王 上巻を読み終わった感想とか

その前に軽くあらすじを

先の戦いで奴隷となった主人公ヴァンは岩塩鉱で働かされていた。

だがある日、犬のような獣が奴隷たちを次々と襲った。

ヴァンも例外なく襲われ、生死をさまよったが生き残ることが出来た。

生き残ったのはヴァンと母親が必死に隠したと思われる幼子だけだった。

ヴァンは幼子とともに生き延びるべく都市に向かうが・・・

 

血の繋がらない親子関係のような主人公ヴァンと娘ユナ。

彼等のつくりだす雰囲気はほのぼのそのもの。

特に娘ユナの影響が大きい。

彼等の関係を見ていると、精霊の守り人の主人公バルサと育て親ジグロの過去を彷彿とさせるようで微笑ましい。

ただ、ヴァンを襲った犬?の後遺症とも呼べるべき嗅覚の発達や、鹿が嫌うというモホキに対する嫌悪感を抱いたシーンなどに不安がよぎる。

 

一方で、犬たちが襲った後、死者が出た病の原因解明に取り組む医術師ホッサル。

今で言う、ワクチンや新薬を遺体から創りだそうとする場面やら

病の発祥地を突き止めようとする場面

犬たちに襲われてもなお生き残ったヴァンの追跡をする場面など

読み応えのある内容だった。

 

後編も楽しみである。

 

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