源氏物語 葵 林望謹訳
あらすじ
桐壺帝がかつての東宮の朱雀帝に位を譲られ、源氏は22歳、近衛の大将に昇進している頃
宮中の実権が朱雀帝の母・弘徽殿大后(こきでんのたいこう)とその父右大臣の手に握られており、何かと右大臣家の独占するところとなった世の中が源氏には面白くない。それに大将という重々しい身分になったこともあるから、軽々しい忍び歩きも慎まないといけない。
桐壺帝が朱雀帝に位を譲った後、は藤壺の后を年がら年中普通の夫婦のように側に置いて離さないので、弘徽殿大后は面白くない。弘徽殿大后は息子の新帝と共に宮中にいるので、何かと桐壺院に対抗する人がいなくなり藤壺の心中は穏やかである。
六条の御息所(みやすどころ)が生んだ今は亡き元皇太子の姫が、伊勢の斎宮に決まった。御息所は、源氏の愛もこのままでは一向に当てにならないし、幼い姫も心配だから伊勢について行こうかしら。と思うようになっていた。
元皇太子は桐壺院の弟だったのだが、源氏がつれなく御息所を扱うことを、桐壺院から咎められてしまう。
女のためには、恥をかかせるようなことなく、どちらの女も穏やかにもて扱って、無用の恨みを負うことのないようにしなくてはならぬぞ。と諭される。
源氏は藤壺に対する恋慕沙汰の身の程知らずを院が万が一にもお聞きになったらと想像すると、恐ろしかった。
一方、葵上(源氏の正妻)は源氏の子を身ごもっていて、つわりのために傍から見ていても気の毒なくらい苦しんで、心細げに思ってすごしていた。
この葵上を見て源氏は、いとしいなぁと思うのであった。
左大臣家では葵上の懐妊について、誰もが嬉しく思ったものの、不安もあり安産祈願や物忌みをさせたりなどしていた。源氏は、そのころ葵上のことにかかりきりになって、御息所のところへは決してぞんざいにしようと思ってなかったが、ぱったりと足が向かなくなってしまった。
感想
桐壺院に忠告されていたのにもかかわらず、というか
力及ばず、恨みが本人の思惑とは別のところで育ってしまい
御息所の思い・恨みで、葵上が、子を産み落とした後亡くなってしまう
誰かを彷彿とさせる、夕顔とか
その時代、呪われるとか
物忌みは、災いを避けるためにするけど
そういう、目に見えないものを信仰する習慣が根強かったのだなぁと思う
葵上の亡くなった後、それほど悲しまないかと思ってた源氏
なんせ、あんまり葵上を相手にしてなくて、遊び歩いていたから
だから、泣き暮らし、ちょっと痩せたり
生前の葵上をよく知っていた人たち集めて思い出話とか
源氏、こんな葵上のこと源氏なりに思っていたのかなぁと
思った
御息所も気の毒ではある、源氏への思いを断ち切れなくて
伊勢に行けなかった思いもわかるけど
手紙だけじゃなぁ・・・
とうとうきました
紫の君が、晴れて正式な夫婦になった!
これにて紫の君から紫上に呼び名も変わったのである
葵上が亡くなって傷心しきってた、源氏
夫婦になった時、紫の君にちょっとだけ嫌われてしまうシーンで、葵上のことがなければ、もっとやれーって思ってたけど
それも可哀想な気がしてきた。
はっ 源氏の魅力にはまりそう
いや、紫式部の術中にはまってしまったかも?(笑)