カザアナ 森 絵都
不思議な力を持つカザアナと関わった家族の話
あらすじ
平安時代に生きた八条院というひとが亡くなってからはや850年あまり
日本は古来の日本らしさを外国に売り出す場所になっていた
今は昔、八条院というひとが存命の頃、この世には風穴と呼ばれる不思議な力を持った者たちが京に住んでいた
空や風、海、石、虫、様々な自然と心を通わせ、意思を読み取ることができた風穴
はじめのころは庶民に親しまれる存在だったが
その風穴を貴族たちはこぞって我が物にしようとしていた
変わって現代、2060年頃、外国に売り出すため日本らしさを十分に発揮しようと
条例まで設けて厳しく律していた
その名も景勝条例、いわく、景勝特区内に居住する市民は、各々に課せられた規定を遵守し、地域の美化に貢献しなければならない
ゴミひとつないまち、日本家屋、懐かしの行灯
といった風情を大事にする街で、中学2年生の里宇は弟の早久と母親と暮らしていた。
こんど今暮らしている景勝特区特Cから特Bになるため、荒れ放題の庭が問題となっていた
そこで偶然であった造園業者・カザアナの岩瀬香瑠という女性に声をかけられて・・・
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感想
未来の話だったんだー
もっとファンタジー色強いかと思ってたけどそうでもなかった
造園業者か・・・確かにカザアナ達の特性を生かした素晴らしい職業だな
特に虫の声を聞けるカザアナ・鈴虫は元からひとりで庭師として活躍してたみたいだし
石の声かー、ちょっとどんなこと言ってるのか興味あるな
主人公が中学生だからか、ジュブナイル感がある
冒険活劇みたいな雰囲気も
物騒なことはおこらないし、ただ観光特化された日本文化あふれる街が息苦しさを感じさせる
不倫されて庭を作ったのが父だったなら、そりゃどうでもよくなるよねー母
子どもたちに何も知らさないというのは、まだ子どもだからか
大人になった時、果たしてどう思うかはあの子達次第
虫のコサックダンスには笑えるというか、マジかなぁ
ダンスで始まりダンスで終わる
確かにユーモアあふれる小説でした