チポロ 菅野雪虫
あらすじ
神々の存在がまだ身近に感じられていた頃
チポロが放つ矢に自ら当たりに行ったツルの神さま
粗末な矢であまり上手くもない、チポロが放った矢で獲物が取れたことに疑問を持つ周囲だったが、イレシュだけは褒めてくれました
早速家に持ち帰ったチポロは祖母のチヌとともに<魂送り>の儀式をとりおこなった。<魂送り>とは鳥や獣の姿となってやってきた神さまの魂を送る儀式のことで、チヌとチポロの家ではこまめに<魂送り>をしていました。
<魂送り>をすると、ツルの神さまが現れチポロにお礼を言ったのでした
父と母がいないチポロの家ではチポロが率先して狩りを行います
ツルを狩るまでは、どこかなげやりに狩りをしていましたが
ツルを仕留めてからは、ここが駄目だったらあっちの狩場に行こうとか
頭を使って狩りをするようになりました
そんなある日、シカマ・カムイという人間に近い神さまが村に立ち寄ることがわかりました。チポロも興味はあったものの、どこか自分から遠い出来事だと思ってしました。
そのシカマ・カムイから、不穏な知らせを聞きますが・・・
感想
続編であるヤレイスーホも現在刊行中とのこと
現代なら、食事をするときに「いただきます」で済ませている
ような事を、<魂送り>という名前で、丁重にいただくことをしている
それを読んでいると、いただきますで済ませている自分がどこか感謝の気持ちが足りないのではないかと、ハッとさせられた
チポロという少年の弓の狩人として芽生える登場シーンから
訓練を重ねて、利き腕でなくても弓を射れるようになることや
逆さになっても同じことが出来るようにすることなど
誰も師匠など居ないのに、鍛錬を続けているチポロ
幼馴染のイレシュが魔物に攫われるという出来事もあったからでしょうか
訓練に余念がありません
魔物に攫われたイレシュを救うために向かう道中
ツルの神さまが、旅の同伴者をつけてくれます
ミソサザイという神さまです
小さい鳥の神さまは、道中毒舌を吐きながら同行してくれます
雨が来るとかあっちに洞窟がなどなど要所要所でアドバイスもくれ
頼もしい味方でした
旅の途中ではそこに住む人々を助けたり歓迎されたりします
とうとうたどり着いた村でイレシュに再開しますが・・・
児童書なので難しい漢字にはルビが振ってありました
小学校高学年から中学生向きかなと思います
ですが、さらっと読めて冒険好きな方、ファンタジー好きな方にはおすすめです
続編はこちら