毒見師イレーナ マリア・V・スナイダー
あらすじ
とある人物を殺害した罪で死刑囚となったイレーナ
死刑執行を待つばかりのイレーナに最高司令官の毒見役になるか
それとも今すぐ絞首台に登るか選択を迫られた
生き延びる好機に、毒見役を選んだイレーナに待ち受けていたものとは
毒薬<蝶の塵(バタフライズ・ダスト)>を知らずに飲まされたことであった
一日に一度解毒剤を飲まないと2日以内に死に至る、逃亡防止の為の毒薬
仮にも人を殺した人物を最高司令官のそばにおき、なおかつ自由に動ける状態であるから毒薬で抑制しないと、と防衛長官のヴァレクは言う
こうしてイレーナは最高司令官アンブローズの毒見役になるための訓練を開始する
だが、死の危険は去ったわけではなく
イレーナが死刑囚となった原因のブラゼルの息子・レヤードを殺害したことに恨みを持っている第五軍管区将軍ブラゼルは、部下を使いイレーナを襲う
おまけにイレーナはレヤードの亡霊に苦しめられて日夜付きまとわれている
感想
生きるか死ぬか、生死をくぐり抜けて無事に生き延びることが出来るのかが見どころの一つ
もう一つは忘れてならないヴァレクの存在
なにかとイレーナがピンチの際にはどこからともなく現れ、イレーナを救ってくれる姿に乙女たちは歓喜するだろう
500ページを超える長編なのに、飽きが来ないのは
ヒヤヒヤするブラゼルの存在と、ヴァレクとの毒見役の訓練をそつなくこなすイレーナ、いじわるばかりしてくるのに存在感があるイレーナの世話係でヴァレクの家政婦マージ、クリオロというとろけそうなほど美味しいお菓子で、なんの毒でもないのに最高司令官がそれに夢中になってしまう。そこからの政治的陰謀
ジェンコとアーリという二人の兵士と仲良くなったきっかけを作った、野外演習
書ききれないほど全てに惹き寄せられてしまう世界観
シリーズは完結してないですが、現在5巻まで刊行中
なにかに一つでもビビッときた物があるのなら、いやなくてもおすすめの1冊です
ただ、暴力とか血とか苦手な方は要注意です