広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

農業高校で先生をする(グリーングリーン あさの あつこ)

グリーングリーン あさの あつこ

グリーン・グリーン (文芸書)

あらすじ

農業高校の先生の話

恋人に振られて、行きつけのマスターに兎鍋村の棚田で作ったおにぎりをごちそうしてもらい

その美味しさに感動した、翠川真緑。

実際に兎鍋村まで旅をして、そこの喜多川農林高校の教師になることを決めた真緑

母親からはそんな田舎のところに就職なんて、と言われたが真緑の決意は変わらなかった

兎鍋村に一軒家を借り住みながら、喜多川高校に赴任が決まった

一年二組の担任に配属され、その名前から「グリーン・グリーン」とあだ名された

はじめての担任、はじめての授業、おぼつかないながらも必死にこなしていく、グリーン・グリーン

 

感想

のどかだ

取り立てて大きな事件があるわけでもないけれど、恋人に振られたり

ある事情からこっそりバイトしていた男子生徒がいたり

家庭の事情に振り回されて、恋人との今後に悩む女子生徒がいたり

女性とみなすとみんな口説いてしまう、園芸家の男性教師がいたり

豚と何故か意思疎通出来てしまう主人公グリーン・グリーンがいたり

小さな出来事がポツポツと起きて、思わず退屈しそうだけど一切そういったことはなかった

 

恋人に振られ、お米の美味しさに救われた真緑

そこまで美味しいなら食べてみたくなる棚田米

次第に元カレを思い出すことも無くなっていく

それは日々に追われていたから、と一言で言ってしまえばあっけない

生徒たちとのやり取りがあって、喜多川高校に馴染んできて

授業もはじめは、いびきを掻いて眠る生徒もいたけれど、他の先生の授業を参考にして、笑いを取り入れるようになたら上手くいったことだったり

そういったことが、失恋を乗り越えさせる機動力になっていったのだと思う

 

そうして立ち直りかけたところで

元カレの登場と、新たな恋の芽生え

何をしにきたのやら、はるばる喜多川高校までやってきた元カレ
真緑の下した決断とは

 

次作も出版されているようなので楽しみです

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