若旦那のひざまくら 坂井 希久子
あらすじ
百貨店の婦人服バイヤー、アラフォーの芹と京都出身西陣織の会社の御曹司充の物語
結婚の挨拶をしにふたりで京都にやって来た。ふたりを出迎えた充の両親は、京都らしいはんなりとした拒絶をみせる。
芹が39歳と27歳の充にしては高齢の女性を選んだことで後継者がいなくなってしまうことに触れた時、充が芹でもはじめて見る怒りをあらわにする。だが結婚を認められないのは変わらず・・・
着物が趣味の友人に着付けを習い、お茶会に呼ばれた芹。ここで着物を着て行ったことを、やんわりといじられる。というのも桜が満開の頃に、枝垂れ桜の着物を着て行ってしまい出過ぎた選択をしてしまったことを咎められたのだった。
なれない京都のコミュニケーションのとり方に戸惑う芹、弱気になってしまいそうになっていた。
そんな折、充の父から提案があった。以前芹が思わず口出ししてしまった新規事業の話が本気にされ、尚且新規事業の直営店での接客を指導してもらいたいと頼まれる。
感想
面白かった。恋愛ものというよりはビジネスものな印象。
京都らしいコミュニケーションの問題とかに悩む様もだけど、充の両親とくに母親とのバトルが見もの。
あとはライバル舞妓の若葉。はじめはいいとこのお嬢さんって感じだったのが、芹が爆発して喧嘩したあとの若葉とのやりとりは好きかも。
ようやく打ち解けて結婚の許しも得たなと思った瞬間に、手のひらを返されて、まぁこれは妊娠したことをすぐ知らされずにいた義母のいやがらせなんだろうけど、
最後の最後まで気が抜けないなぁ
でも、充のおかげでまた仲良くなれるようになったし、影の立役者だなぁって普通は逆なのにね。でも充のそういう所に芹は惚れたんだしめでたしめでたし。
表題の若旦那のひざまくらは、芹が充に惚れた瞬間の出来事でこれもいい話だった。