広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

自分より他人を守りたい時(白の王 廣嶋 玲子)

白の王 廣嶋 玲子

白の王

あらすじ

「青の王」の続編。世界観は一緒で登場人物達が一新。

琥珀の石をある場所まで届けるため旅をしていたタスラン。宿屋に泊まった時魔鳥に石を盗まれてしまう。なんとしても取り返したいタスランは宿屋の主人からある子どもたちに頼めばそれが可能と聞かされた。それは「灰の雛」と呼ばれる子らで塔に住む魔鳥の巣に入って失くし物を探してくれるという。タスランが「灰の雛」に依頼し中でもアイシャという女の子が石を取り返してくれた。だが、取り返した際に塔から落ちてそのせいか胸に石が埋まってしまう。取り出す方法を知らないタスランは、石をアイシャから取り出すために旅に出ることになる。

 

感想

まるっきり新しい登場人物が出てくると思ったら、懐かしい赤いサソリ団のモーティマが出てきて嬉しかった。あの料理人魂も顕在で。ラシーラはアバンザから2世代後の世代なんだね。「青の王」の時の話もちらっと出てきて、世界が繋がってる感じがして良かった。

本編の話。イムランっていうちっこい弱い魔族がいて、最初はお荷物扱いだったのが終盤タスランの危機に駆けつけてきてくれて猿小人と一緒にやっつけて見違えた。それからも右腕を失ったタスランの右腕に成り代わったり大活躍して、しまいにはタスランの呪いも白の王に願って癒やしてしまうという。こいつ好きだな。ひょっとして後で化けるんじゃないのかなって「青の王」の虫みたいに思ったんだけど、ばっちり当たったね。

タスランとアイシャは、終盤に愛の告白みたいなこと言っていいムードだし。ラシーラが言った通りいいップルになるかもしれないっていうか、その方がにやけてしまうから好きだなぁ。続編の赤の王辺りで、彼らのその後が分かったりしないかなぁ

猿小人・テンナの大活躍シーンがカットされててちょっと残念だったのが、心残りかな。なんで省いちゃったかな。

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