ペンギンは空を見上げる 八重野 統摩
してやられた。ミステリ・フロンティアから出てるのに、ミステリっぽい内容ではなくてすっかり忘れていた頃、突如告げられた事実にしてやられた。
あらすじ
小学六年のハルは将来NASAかJAXAに就職してロケットを開発するのが夢だ
自分でも風船ロケットを自作して日々ロケットに全力を注いでいる
だが、学校でも家でもどこか浮いた存在
そこへアメリカからやって来た転校生鳴沢イリスがやってくる
転校初日の挨拶で、誰とも仲良くしたくないと言い放ち、その事を裏付けるかのように誰とも話をせず避けていた
唯一の友達三好はそんな彼女の実情に心を痛めていて、ハルになんとかしようと話を持ちかける
だが、ハルは我関せず関わりたくないと突っぱねる
と言っていたある日、雨の中鳴沢がグラウンドで何かを探している姿を見かける
図書室で本を読み終えてもまだ探している。しかも泣いているようだった。
放っておけなかったハルは、仕方無しに鳴沢に声をかけて一緒に探してあげることにする
ようやく見つかったぬいぐるみのメアリーはゴミ捨て場にいた。汚れた姿で。
クリーニング店を経営している家に鳴沢と帰り、メアリーを綺麗にしてあげることにしたハル
そのことがきっかけで鳴沢はハルに懐くようになって・・・
感想
きっともっと注意深く読んでいたら気付けた、ミステリ的なあれこれ
ただただ純粋に物語に引き込まれていた私には無理な話だった
ハルの孤立している本当の理由
どこかギクシャクしていた両親との関係
鳴沢との言葉の壁を超えた友情
すべてが解けたラストは、やはりミステリだった