源氏物語 薄雲 19 角田光代訳
あらすじ
大堰で暮らしている明石の御方。光君は「やはりこうしてばかりいられない。思い切って近くにお移りなさい」と進めるが、移り住んで光君の冷酷さをしっかりと知ることになったらと、思い悩んでいる。
それならば姫君だけでもと、光君は紫の上の事も話し世話をしてくれる人もいることを話す。
明石の御方は、思い悩み、母君にも説得され色んな人に相談し、占ってみても、姫君を移したほうがいいという結果になった。ので心底耐え難いが、姫君のことを思って涙ながらに移すことになった。
移ってきた姫君はたいそう可愛らしく、世話をする紫の上は、手放した母はどんな気持ちだろうと、光君が明石の御方の所へ行くのにも嫉妬しなくなった。
新しい年になった。
東の院の西にいる花散里は、暮らしぶりは優雅で申し分のない様子である。
姫君が東の院に来てから、明石の御方の所へ行った光君。娘も居なくなり、それでも来てくれる光君。自分は琴を弾き、御方に琵琶を弾くよう言う。みごとな御方の弾きっぷりに感心する。そして姫君の様子を詳しく聞かせてやるのだった。
その年は奇っ怪な出来事が多く、不安に怯える朝廷だった。
藤壺の宮の体調も思わしくなく、3月にはひどく重くなってしまう。
帝に今年の厄年は逃れそうもありませんと、37歳である藤壺は言う。
帝は祈祷などさせているが、悲しみに沈んでいる。
光君も見舞いに行ったり、祈祷などあらゆる手を尽くす。が光君と話している最中にそっと息を引き取った。光君は、別れの悲しみに激しく嘆く。
感想
藤壺が亡くなりました。
話している最中に亡くなるとは・・・
そして冷泉帝に出生の秘密が明らかにされ、冷泉帝は光君に譲位しようとさえします。
そうした後の、前斎宮へのちょかいという名の恋がありました。
御息所がくれぐれもちょっかいを出すなと、遺言まで残したのにもかかわらず、恋をしてしまいました。
藤壺が亡くなった悲しみもあるのでしょうか、新たな恋人を求めてしまいます。
ですが、前斎宮は相手にせずひどく嫌われてる様子。残り香がいやらしいと言われてます。光君も辛そう。です。
