とにかくうちに帰ります 津村記久子
あらすじ
表題の作品を含む、とある会社のお仕事短編集
『職場の作法』で職場の人々、田上さんと浄之内さんの人となりや仕事の進め方について語られる。それぞれブラックボックス、ハラスメント、ネグレクト。
「ブラックボックス」では、田上さんにお願いするとその人の仕事の頼み方や人柄で期限時間までに間に合わせるか、そうでないかを決めて、書類を箱の中にしまう。
という田上さんの仕事ぶりを主人公の視点から描かれる
続いて、「ハラスメント、ネグレクト」では、浄之内さんの家が実はいいところのお嬢さんだと、営業部長から聞かされた主人公。その営業部長は今度は浄之内さんの親戚が議員をしているとことあるごとに浄之内さんの周りをうろつき、浄之内さんが傍から見ていたらストレスを感じているように見え、主人公が営業部長から浄之内さんをさりげなく守ろうとしたりするも・・・の話
感想
他3編を、この前述した登場人物たちの仕事場の話が出てくる
で、表題作の最終章は全く別の登場人物で、仕事場も別
豪雨の中、電車が止まり、歩いて帰ろうとしている中、近場の橋で事故が起こり通行不可になる。迂回路として示された通路を行く2パターンの人々
『とにかくうちに帰ります』とのある通り、必死で雨で衣服も濡れ体力も奪われ、ぐちゃぐちゃな中とにかく必死に、疲れた身体で帰ろうとする人々の様子が描かれていた
なぜ、登場人物を別にしたのかはわからないが
一緒のほうが良かったかなぁと思う
その登場人物たちの、『とにかくうちに帰ります』が読みたかったからかもしれない