広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

不思議なことが起こる商店街(かたみ歌 朱川湊人)

かたみ歌 (新潮文庫)

かたみ歌 朱川湊人

不思議なことが起こる商店街

 

あらすじ

東京の下町、アカシア商店街で暮らす人々の短編集

全7編

 

紫陽花の頃

殺人事件があったラーメン店の前で佇む男を目撃する、小説家志望の幸二

越してきた、アカシア商店で比沙子と暮らす日々。

やがてその男は幸二にしか見えないことが分かり・・・

 

夏の落とし文

小学3年生の虚弱な啓介と兄の秀則

ある時、友達が奇妙な張り紙を見つけたという

カタカナで記されたそれは意味がわからない文章だった

アサイケイスケアキミレス

この夏の休みに、長袖の小学生くらいの男の子がその張り紙を貼っている現場を見つけたが

何故か凍りついたように動けず・・・

 

栞の恋

タイガースのサリーが好きな酒屋の娘・邦子

ある時、店番をしていると、サリーそっくりな少年が前を歩いてるのを目撃する

ひと目で恋に落ちた邦子

古本屋で目撃した邦子は彼が読んでいた本にしおりが挟まっているのを知り、その

本に紙を挟んでみた

数日後、返事が返って来て二人は文通を始めたが・・・

 


感想

不思議なことって怪奇現象とかファンタジーだったんだ

本の裏表紙に一番最初に書いてあったのにちゃんと読んでなかった

 

本屋で泣ける本として紹介されていたから読んでみた

ちょっとウルってきたかな

 

解説の諸田玲子さんと同じく、私も「栞の恋」が好きだ。

なんかこういうやり取りって素敵。

時間がかかっても、誰かにみられるかもしれなくても、スリルと恋のドキドキが味わえて。

相手の人が時空を超えた人物ってのもまたいい。マンガみたい。

 

『かたみ歌』の「かたみ」って漢字では”形見”かな。

短編枚に歌が登場するから。

 

確か全編登場する、古本屋・幸子書房の主人が主人公の話「枯葉の天使」も良かった

彼が何故商店街のそばにある寺に日に二度も参拝して、不可解な行動をしていたのか、謎が解ける

ここでちょっとうるってきたかな

 

「栞の恋」以外では「ひかり猫」も好きだな

ファンタジーっぽくも怪奇現象っぽくもあるけど、悪とか憎悪とかじゃなくて温かさを感じる話

これもちょっと感動話かな、涙を誘う

いい話だった

 

「栞の恋」、世にも奇妙な物語でドラマ化されてるんですね

堀北真希さんで

へぇ~ もっと無骨な少女をイメージしてました

これが一番ジーンと来たからなぁそうかぁ

 

朱川さんの作品はこれで3作読んだことになるけど

もっと読んでみたいなと思いました

おすすめです

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