マカンマラン - 二十三時の夜食カフェ 古内 一絵
商店街の外れ、ひっそり佇む店「マカン・マラン」インドネシア語で夜食を意味するその店名通り
マカン・マランは深夜に訪れる人々を温かい夜食で迎える店だった
とここまで聞けば普通の料理小説かなって思うけれども、店主のシャールさんが一味違う
ドラァグクイーン、なのだシャールさんは
わかりやすくいうとオカマ。女装家。
昼のシャールさんはダンス衣装専門店を開く。お客は同じ女装家や社交ダンスに明け暮れるパートのおばちゃんたち
それぞれシャールがデザインしたドレスが所狭しとら並べられ、それらは全て、お手製
故に、シャール1人では作ることが出来ないため、お針子の仲間と夜な夜な作業をしている
マカン・マランもそんなお針子達に夜食を提供しているうちに、出来た店
宣伝もせず、700円という安さでひっそりと提供していた
そんなマカン・マランに訪れる人々を主人公に仕立てた短編集
読めばシャールさんを好きになるし、マクロビ料理が食べたくなります。
そしてシャールさんに癒やされて、ホッコリすること間違いなし。
マクロビというのは私もこのシャールさんではじめて知ったのですが、動物性のものはあまり取らず穀物や野菜中心を取り、陰陽論という独自の手法を取り入れた食生活のことをいうそうです。
登場人物たちを見て触っただけで、シャールさんは相手に今何が足りてないか何を必要としているか見抜き、それぞれに応じた料理を提供するのです。
シャールさんと、同級生だった中学校の教師柳田は、プレ作品「銀色のマーメイド」に登場しています(記事はこちら)
シャールさんは脇役ですが、柳田は中心人物として関わってくる、水泳の青春小説です。
マカン・マランでも描かれていたシャールさんの過去や柳田との関係がわかります
シャールさんの今後が気になる終わり方をした今作、シリーズ物なので続きがあります
今調べたところによると、4作目で完結している模様です
完結!? もっと続けばいいのに・・・と名残惜しくなるくらいにシャールさんの魅力にはまってます