みかんとひよどり 近藤 史恵
あらすじ
ジビエ料理を扱うフランス料理のシェフと、狩猟をする男性との物語
近藤さんらしい料理をテーマにした、男同士の心の交流を描いた作品です
流石に美味しそうな描写をされます
ジビエ料理
ジビエ料理とは、狩猟で捕らえた動物を料理して食べること。本作で出てくるのは、主にヒヨドリ、鹿、豚など
ジビエって私はジンギスカンぐらいしか食べたことがなく、それも一度きりなのでどんな印象だったかわからずイマイチ想像できなかったのですが(※ジンギスカンはジビエではないですが(笑))
主人公潮田亮の務めるフランス料理のオーナーがジビエ料理に目がなく、そのため亮は引き抜かれて今に至ります
そのオーナーがとてもおいしそうに食べるので、きっと美味しのだろうと未知の料理ながら思います
野生で天然の動物を食すため、滋養にいいのだとか
主人公・亮とハンター大高の出会い
そんなジビエ料理をする亮ですが、ただ店に引き抜かれたのではなく任された店を一度潰してしまい、借金の返済のために料理店でアルバイトをしていたところオーナーに引き抜かれたのです
そして今の店もイマイチ売上もパッとせず、休日になっても満席になることもありませんでした
ある日、亮が自分でも猟に出ようと山へ愛犬・ピリカとともに入っていきます。ですが、夢中で獲物を追いすぎて道に迷い夜になってしまいます。大した準備をしてこず所持品はチョコレートと水のみ。携帯の電池も無くなってしまいピンチに陥ります。
雨まで降ってきたところ、1人の男性に助けられます。狩猟をしていた大高でした。大高の愛犬・マタベーが亮達に気付いたのです。
近くにコンビニも泊まるところもないため、ぶっきらぼうながら大高が自宅に招いて、風呂と寝床を提供してくれました。ピリカの餌も持っておらず、マタベーの餌を分けてもらおうと小屋に居た大高に声をかけようとする亮。大高は小屋で鹿の解体をしていたのでした。
てな感じが亮と大高の出会いです。
事件が・・・
それから、亮は大高に店に獲物を提供して貰うため交渉するのですが、大高ははじめ面倒くさいと言って取り合わなかった。が、大高の家が何者かに放火され全焼してしまう。そのため大高は亮と契約を結ぶのであった。
一気にここでミステリ感が出てきます。近藤さんはミステリ作家ですからね、やはりにじみ出てしまうのでしょうかそれとも本領発揮でしょうか。
ラストに向けての捕物帳も見ものです。
タイトルの「みかんとひよどり」も読めばなるほど~と納得すること間違いなしです。