広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

シリーズ3作目耀子が恋をして結婚するまでの話(天の花 なでし子物語 伊吹有喜)

天の花 なでし子物語 伊吹有喜

 

天の花 なでし子物語

 あらすじ

シリーズ3作目(1作目の記事はこちら

燿子高校3年生の現在と、中学2年生の過去が交互に語られます

大学進学を目前に、常夏荘のおあんさんこと照子が東京へと

燿子の奨学金の話をしに行った帰りから物語は始まります

帰宅した照子を待っていたのは、燿子が母の元で暮らすと書いた置き手紙と栞でした

一体何がおこったのか??

 

感想 

燿子が置き手紙をして出て行った、本当の理由は物語後半で語られますが

シリーズ2作目で結婚した龍治との馴れ初め?エピソードとも思われる

中学二年生の常夏荘での出来事が中心です

七夕まつりに参加するために、常夏荘へ戻ってきた立海

怪我のため常夏荘へ療養と、別居中の妻と距離を置くために来た龍治

その二人と過ごしたひと夏の思い出

一体全体、龍治と燿子の間に何があって結婚までに至ったのかは中学二年生の時点では分かりません

ただ、初めて会ったのが中学二年生の夏だったと言うことだけです

ですが、どうやらこの夏龍治は燿子に何らかの感情を持ったらしいことが

終盤の一言で分かります

燿子に関して言えば、川で溺れそうになって足を挫いたところを

お姫様抱っこで助けてもらった時や

龍治の容姿や雰囲気、立ちあがるフェロモンに気取られてる様子が伺えます

まぁなんにせよ、龍治の見せ場は終盤ですね

そこで、グイッと気持ちが持っていかれること間違いなしです

 

立海は11歳、子供らしい思いで燿子を思ってますが

まだ発展途上と言ったところでしょうか

立海が燿子より年上なら話は違ったかも、かもしれません

 

タイトルの『天の花』も龍治が燿子に言ったセリフのフレーズです

ついでいえば、2作目の『地の星』もそう

正確に言えば詩で立海も龍治から教わったそうですがその時の詩が

「星は天の花、花は地の星」

意味をかいつまむと以下のようになります

姿はちがっても光はいつも、ぼくらと、ともにある。

 素敵ですね。立海が龍治のセリフを覚えていると言ったことも

印象的だったのでしょう

大好きだった燿子が、同じく大好きだった龍治と結婚

心中穏やかではなかったことも触れられてます

 

そんななでし子物語シリーズ3作目「天の花」

巻末には2018年春からasta*で連載スタートらしいです

「常夏の光」と題されたそれ、今から読むことが楽しみです 

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