広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

中華風ファンタジー(彩雲国物語―はじまりの風は紅く 雪乃 紗衣)

彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫)

彩雲国物語―はじまりの風は紅く 雪乃 紗衣

 

架空の国・彩雲国を舞台にした中華風ファンタジー

本編18作 外伝4作 連作短編集1作の超大作

雪乃紗衣さんはこれがデビュー作となる

 

あらすじ

王が登極してはや半年、やる気のない仕事っぷりにあれやこれやと策を講じてきたもののどれもが効果が無かったので、困り果てていた重臣たち

ひとりの重臣があるアイディアをもたらす

それは、王に伴侶をもたせてやる気を出させるというものだった

 

白羽の矢が立ったのは、紅家直系の姫・紅秀麗

直系と言っても、父親の紅邵可は弟に家督を譲り紅州からはなれ紫州へと越してきた身であった

おまけに邵可は府庫の管理を任せられていたが、こと書物以外のことになると関心が薄れるようで

お給金もろくにちゃんと貰わなかったため、紅家はいつも貧乏だった

そのため秀麗と家人の静蘭はこまごまと内職や働きに出ていたのだった

本来ならば、かしずかれていてもおかしくはない秀麗

礼儀作法などは亡き母から教えられてしっかりと身についていた

それも仕事に代わり、膨大な屋敷を維持するための費用として消えていったのだった

そこへ霄太師が金500両で王の妃になってほしいと頼みに来る

あまりの金額に目がくらんだ秀麗は即答で快諾する

 

こうして王の妃となり後宮で過ごすことになったが、はや5日王の姿は現れずいまだ面会出来ないでいた

その間に王・紫劉輝について調べたことは以下の通り

母親は幼い頃他界、父親は名君として名を馳せていたが8年前に病につき1年前に崩御

末の第六公子だったが、上の4人の兄は王位争いで死亡、残りの第二公子は流罪にされていたので、残った第六公子が王座についた

 

政治においてはやる気なし、興味なし、朝議にも出ず臣下に任せっぱなし

 

私生活では男色家との噂。毎晩別の侍官と過ごし、昼はどこかでふらふらとして行方知れず

今現在、妃は秀麗ひとり

 

という状況であった

 


===

感想

再読になる

発売されたのが2003年だからもう17年経つのか
早いな

アニメで知って、原作を読んで、連作短編集の骸骨を乞うまで読んでるから

大体は覚えてるから知ってたけど

やっぱり面白いな

 

そう言えば、劉輝って両刀なんだね

そう言ってたから本人が

そうかー両刀? 毎晩臣下と寝ていたのは事実だったのね

あんまり知りたくなかったかも

でも毎晩寝るのを共にしていたのは、幼い頃受けた虐待のせいで暗闇が嫌いになって

パニックを起こしてしまうからだった

それも秀麗と一緒に寝たときは、悪夢も出ずに安眠できた

朝起きたら抱っこされて目覚めるのは定番だけど

安眠できたのも定番かな

だけどそう思われた分には嬉しいかもしれない

王道バンザイ

 

そんな暗闇が苦手な劉輝が、秀麗が捕まった時に意を決して闇に飛び込む姿は好感持てる

頑張ったのねっと褒める秀麗もなかなか

 

それにしても霄太師め

本当に腹黒たぬきみたい

一歩間違えば死んでいたかもしれない秀麗に、父・邵可も怒り沸騰

黒狼として殺害予告をしでかすくらい

 

茶太保が辛かったろうなーと。

辛いっていうかなんていうか一方的にライバル視してたみたいな感じだったんだろうか。

最期は霄太師に看取られて。本望だったのだろうか。複雑

結果そそのかされたって邵可は言ってたけど、霄太師は違った意見だった

俺が殺してやろうとそれが愛する友へのせめてものたむけ

 

霄太師は結局、仙なのね

でなきゃおじいさんがいきなり若くなったりしない

どの仙なのかわからんけど現時点では

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