この闇と光 服部 まゆみ
物語は、盲目の少女レイアと父王が塔で幽閉されている生活から始まる
二人は、限られた部屋と庭を行き来して日々を送っていた
世話をするダフネと呼ばれる沈丁花の香水をつけている女性がいるだけで
部屋の外には外国の言葉を話す兵士が見張っていた
父王は時折鳴るブザーで部屋を出て留守にすることも多かった
ダフネと二人っきりになるとダフネはレイアに、「死ねばいいのに」や「殺してやる」などと話しレイアを脅かす
父王に言ってもあまり信用してもらえなかった
レイアは、3歳頃まで目が見えていたがその後盲目となる
言葉は父王が朗読した物語や、文字が彫られた積み木
成長すると書くと文字が浮き出るペンで文字を学習していった
日々の暮らしは、クラシックのカセットを聞き、ピアノも練習したりしていた
そんな日々が15歳まで続くが・・・
してやられたかんじ
まごうことなきファンタジーだと思って、レイア姫かわいいとか思ってたら
後半に衝撃の展開が待っていて、驚きを隠せない
確かに前半の部分を注意深く読んでいれば気付けた点もあった
けれどそれに気付けたからと言って、物語の種明かしはそれだけではなかった
だから、この物語の分類はファンタジーではなく現代にした
おすすめです
ここから先はネタバレ
反転してください
レイアの正体が男の子だったとは・・・
まぁ確かに、はじめて生理になったというわりにはナプキンをどうのこうのと言う話もなく
男の子の格好をさせられて髪まで切られる訳だけれど
正確に言うと夢精だった
そして外国人ではなく日本人で、3歳のときに誘拐された怜という男の子だったわけで
そう、朗読された物語は、多岐にわたって、赤ずきん・ラプンツェル成長すると罪と罰・嵐が丘
など日本では有名な物語ばかり
彼が保護された病室で看護婦や医者に囲まれて、目が治ると言われて実際に手術をして目が見えるようになるまで
えって驚きで、彼と心境はシンクロしてたと思う
高校生になって、犯人も見つからず怜はある小説家に自分が書いた小説を仮名で送るのだけれど
まさかその小説家が犯人で、怜がその小説家に会いに行っちゃうとは
それであなたが犯人ですよねって問い詰めて、私が犯人ならってところで物語は終わっちゃう
観念して警察に行くのだろうか?行かなそうだけれど
それよりもまた、レイアとして怜を監禁しそうで怖かった