広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

祝20周年! ぶたぶたシリーズ 矢崎存美

祝20周年! ぶたぶたシリーズ 矢崎存美

編集者ぶたぶた (光文社文庫)

おめでたいです。今回の新作「編集者ぶたぶた」でぶたぶたシリーズが20週年をむかえます。

 

ぶたぶたさんとは

私がはじめてぶたぶたさんを読んだのはいつ頃だったでしょうか・・・大学生くらいの頃でしょうか。

その外見に反するおじさんの落ち着いた声と、もくもくと動かす鼻の愛らしさ。なによりも驚きなのがぶたのぬいぐるみだということ。しかもきぐるみではなく、バレーボールサイズの正真正銘のぶたのぬいぐるみなのです。そのぶたのぬいぐるみが自分の力で動き、話しているところを見た人間からぶたぶたさんシリーズは語られていきます。

ぬいぐるみが自分で話したり動いたりするなんて前代未聞です。ぶたぶたさんと出会った人々の心境は様々です。夢だと思う人、なにかの仕掛けがあるんじゃないかと疑って見る人、でもぶたぶたさんと話しているうちに自然とぶたぶたさんはぶたぶたさんとして受け入れられるようになるのです。

 

ぶたぶたさんの魅力

ぶたぶたさんに出会う人々は何かしら悩みを持ってます。それがぶたぶたさんと話すことで前向きになったりするのです。特別ぶたぶたさんがこうしろああしろとお説教じみたことは言いません。でもぶたぶたさんと話すとどこか肩の力を抜くことが出来て癒やされるのです。それは読んでる私も同じこと。ぶたぶたさんのシリーズを読んでいると、ホッとしたりときにはウルッとしたり驚いたりすることで、心が癒やされてまた明日も頑張ろうという気持ちになるのです。

 

ぶたぶたさんの職業

ぶたぶたさんはシリーズを通して様々な職業になって登場します。

新作の編集者ぶたぶたでは、タイトルの通り本や雑誌の編集者。他のシリーズではお医者さん、パティシエ、シェフ、コテージのオーナー、本屋さん、司書、ラジオDJなどなど

そもそもぶたぶたさんは、中年男性の落ち着いた声の持ち主で、なんと驚くべき所に?奥さんとふたりの娘さんがいます。それでなのか、家族の悩みを持つ人に自身の体験を交えて語ることもあったりなかったり。

個人的には、ぶたぶたシリーズで出てくる食べ物の美味しそうなこと。あのちっさい身体で調理する描写の愛らしいこと。それにぶたぶたさん自身もグルメなところ。そうです。ぬいぐるみなのに、食べたり飲んだり出来るのです。その辺のみんなの驚き具合も読んでて楽しみなところ。が好きです。

 

おわりに

シリーズ20周年。ファンにとっては嬉しいことです。

また文庫本でシリーズ展開されているのでお財布にも優しいところが魅力の一つ。

手軽に手にとって頂けるのではないかと思います。

 

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