広く浅く

広く浅く

本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

【おすすめ】2019年の本ベスト10冊

今年読んだ本は合計162冊でした

そんな中から選ぶベスト10を紹介します

 

 白銀の墟 玄の月 小野不由美

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/11/09
  • メディア: 文庫
 

十二国記という12国ある国を舞台にしたファンタジーです

ファンタジーと言っても歴史小説のような話なので、ファンタジーが苦手な方も楽しめると思います

そんな十二国記というシリーズの18年ぶりの最新作が白銀の墟 玄の月です

ご存じの方は是非コメントしていってください

4巻で一つの国を描いているのに、4巻を読み終わってもまだ読みたくなるような内容でした

最後の1ページの一文字まで見逃せない大作です

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この闇と光 服部まゆみ

この闇と光 (角川文庫)

この闇と光 (角川文庫)

 

 Twitterでよく見かけるので気になって読んでみましたが、当たりでした

物語は盲目の少女レイアと父王が塔で幽閉されている生活からはじまります

これ以降は何を言ってもネタバレになってしまいそうなので割合します

ファンタジーが苦手な方も前半部分を我慢したらいいことあります

読んで損なしの一作です

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彼方の友へ 伊吹有喜

彼方の友へ

彼方の友へ

 

 400ページを超える大作です

舞台は昭和初期、ひょんなことからあこがれの出版社に編集者として採用された主人公の奮闘記です

また恋愛もうっすらと、奥ゆかしく漂っていて

読み終わってから、本の表表紙と裏表紙をじっくり見たら、感慨深いものがあります

「Dear friends」、「Sincerely yours」この2つの言葉の意味が違って見えてくる

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風神の手 道尾秀介 

風神の手

風神の手

 

ミステリから一つ

一つの事件が発端となった、ひとつひとつが繋がっている物語

読みながら感心すること間違いなし

バタフライ効果と言える

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アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎

アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク

 

 恋愛小説で伏線が見事に回収されていくさまを見ることができる小説

映画になってるらしく興味を持って読んでみた

登場人物がちょっと多いけれど、あの時のあの子がここでっというシーンがあるので見逃せない

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天の花 伊吹有喜

天の花 なでし子物語

天の花 なでし子物語

 

なでし子物語というシリーズの3作目

なでし子物語とは1980年頃の物語で舞台は静岡の峰生

常夏荘で暮らす少女と少年の成長を追った物語

 母が男と出ていき一人となった少女・耀子と

体が弱く昔からのまじないを信じる親父様に女の子の格好をさせられている男の子

立海を取り巻く人々の話

 

シリーズ3作目では、耀子が何故龍治と結婚するに至ったのかがよく分かる

1作目でいい感じだった立海ではなく、龍治だったのか

そりゃ惚れるわと納得の3巻だった

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ファースト・ラヴ 島本理生

ファーストラヴ

ファーストラヴ

 

恋愛小説ではないのですが、タイトルを付けた意味もこれではないのかなーと思える

父親を殺害した容疑で逮捕されている主人公と臨床心理士の対話で暴かれる主人公を取り巻く環境

嘘をつくのが常だったという主人公が公判でみせる陳述は見ものだった

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バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

ノンフィクション小説から一つ

こんなに面白いノンフィクションの新書ってあったんだという感想

バッタに食べられたいという願いを持って、アフリカへ研究に行ったひとりの男性の話

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毒見師イレーナ マリア・V・スナイダー

毒見師イレーナ (ハーパーBOOKS)

毒見師イレーナ (ハーパーBOOKS)

  • 作者:マリア・V スナイダー
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2015/07/18
  • メディア: 文庫
 

 ファンタジーです

死刑囚となったイレーナが毒見役になることを引き換えに死刑を逃れられるのですが、それからが波乱

逃亡防止用の毒を飲まされて、一日に一回解毒薬を飲まないといけなくなったイレーナ

ですが、毒見役として立派に成し遂げ、自らが持つ魔法の力にも気付き宿敵のレヤードの亡霊にも打ち勝ちます

敵みたいなヴァレクとの恋愛模様も身悶えする出来です。(笑)

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源氏物語 上 角田光代

源氏物語 上 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集04)

源氏物語 上 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集04)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: 単行本
 

古典から一つ

角田光代さんによる現代語訳です。読みやすいっと言っても古典なので理解に時間はかかりますが、与謝野晶子訳よりかは読みやすいです

和歌も現代語訳されていて、分かりやすかったです

 

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色々詰まった短編集(カナダ金貨の謎  有栖川 有栖)

カナダ金貨の謎 (講談社ノベルス)

カナダ金貨の謎  有栖川 有栖

 

国名シリーズ第10弾

今作は表題を含む繋がりのない短編集

 

あらすじ

船長が死んだ夜

火村のフィールドワークの一環で兵庫県を訪れていた、火村とアリス

宿屋でニュースを見ていたら、近くの村で発生した殺人事件の報道がされていた

寄ってみると、船長と呼ばれていた男性が何者かに胸を刺されて死亡したとのこと

容疑者は被害者小郡晴男と不倫関係になっていたと噂される橘美潮と、小郡を慕う槌井須美代、美潮の夫の3人。3人共にアリバイなし。

不自然に剥がされたポスターと籐の椅子。これらから導き出した火村の答えとは

 

エア・キャット

ミステリ作家浅井小夜子と二人バーでトランプマジックを披露してもらってたアリス

小夜子がトランプに書いた猫から、最近の火村の様子を尋ねられた

そう言えば最近猫にまつわる事件があったという

被害者が夏目漱石の「吾輩は猫である」を愛読しており、亡くなった猫をエアキャットとして飼っていたのだという

被害者は何者かに殴打されて死亡した。玄関は施錠されていたが裏口は開いていた状態で

被害者の殺害された時刻が不明な中、火村が被害者の本棚から一つの本を見つけたことで事件は解明に至る

 

カナダ金貨の謎

犯人による記述形式で語られる、倒叙

なので犯人は最初から分かっていた

被害者がいつも身につけていたカナダ金貨のネックレスが無くなっている状態で発見されてた

第一発見者の恋人・芳原彩音が疑われているのではないかと、以前いとこが世話になった火村を頼ってきた

火村とアリスは彩音と被害者の後輩太刀川から話を聞く

 

あるトリックの蹉跌

火村とアリスがはじめて出会った場面の短編

アリスが講義中小説を書いていると、横から声をかけられた

それが火村だった。火村はアリスの書いている小説の続きを知りたいようだった

小説を読ませてもらったお礼におごると言われ、食堂のカレーをごちそうしてもらったアリス

もう一度読ませて欲しいと、頼まれ煙草を吸いがてら休憩スペースで待つことに

そこでアリスは火村に犯人を言い当てられて・・・・

 

ロッコの行方

火村がお気に入りの喫茶店で論文を読んでいると、学生達がトロッコ問題を言い合っているのが聞こえた

ロッコ問題とは、線路の先に5人の作業員がいて自分は分岐点の切り替えポイントに居る

もう一方にもひとりの作業員がいる。そこへ暴走するトロッコが近づいてくる。大声で叫ぼうにも両方とも離れすぎていて声は届かない、あなたならどちらの犠牲を選ぶかという問題

火村は学生に聞かれて、ひとりを犠牲にするという少ない方を選んだが・・・

そこへ大阪府警の鮫山警部補からメッセージが、事件の依頼だった

 

===

感想

やっぱりミステリっていいな。ワクワクするというか読んでて楽しい

 

今回短編集だったのが意外だったけど、色んな話が読めて嬉しい

特に、「エア・キャット」と「あるトリックの蹉跌」が好き

エア・キャットで最後に火村が、まだ見ぬ猫の名前を決めているというエピソードが、可愛くて好き

あるトリックの蹉跌は、はじめて出会った二人の話が丁寧に描かれていてこちらも嬉しい限り

今まであんまりこんなに書かれたこと無かった気がする

 

表題のカナダ金貨の謎、は珍しく犯人側からの記述だった

これも何パターンの内の一つだろうなー

なんでカナダ金貨を取ったかというと、のちのアリバイ工作に必要だったから取った

でもそれが逮捕の決め手になるなんて滑稽だわ

演技した火村もナイスというか

 

ドラマで斎藤工窪田正孝が演じてた印象が頭に残ってて

話すふたりのイメージが彼らに固定されつつあるww

元気な74歳(マジカルグランマ 柚木麻子)

マジカルグランマ

マジカルグランマ 柚木麻子

 

ステレオタイプのおばあちゃんとして演じることを求められた女性の話

 

あらすじ

74歳柏葉正子。携帯会社のCMで一躍有名人となったが、夫が死に家庭内別居していたことが知られ、年齢も詐称していたことが取り沙汰されると正子は芸能プロダクションをやめざるを得なかった。

そんな正子の元へ、夫の浜田壮太郎から聞いて頼ってきたという田村杏奈が家へ転がり込んできた。

いわく、困った時は家に来て頼ってくれたらいいと生前壮太郎から言われていたのだという。

行くところもなく困っているという杏奈を前にして、息子の孝宏が追い返すのもかわいそうだからと、一泊泊めてあげることにした。

ところが翌日記者たちが家に押し寄せ、正子と壮太郎の夫婦仲や正子の年齢詐称について問いただそうとやって来ていた。

そこを杏奈の機転で抜け出し、ご近所の野口にも助けてもらって事なきを得る。このことで杏奈を信頼した正子はしばらく居てもいいと提案するのだった。

 

===

感想

元気な74歳だなーと言うのが一番の印象かな

 

74歳にして稼ごうと友人に相談したところ、芸能界への再デビューを勧められ

白髪にメガネ、おばあさんらしい服装をしたところ、次々とオファーが

その中で携帯会社のCMに出演したことで一躍有名人に

夫とは家庭内別居をしていて、ここ数年口も聞いていない状態だった

ところが、夫は真逆のことを世間に言いふらしていて仲睦まじい様子を発信していたという

夫が亡くなって、土地を売却してこじんまりとしたところで暮らそうとしたが、更地にするのに一千万かかると言われ、とりあえず家にあるものをメルカリで売って費用を稼いだ

 

杏奈の存在があったとは言え、メルカリにYouTubeに検索にと最新技術を使いこなしている正子

おまけに自宅をお化け屋敷にしてお客を呼ぼうと自らおばけの役になったりと、精力的に動く

 

そのやる気は一体どこからくるんだろうか

自らが目立ちたい、褒められたいと欲求はあるとはいえ

バイタリティが強い

 

でもま、タイトルのマジカルグランマが差別的表現からきているとは思わなかった。

確かに思い込みとかあると思う、イメージが。

おばあちゃんと言えばこういう発言をして、こうゆう格好でみたいな

それを払拭したい正子の気持ち。

最後の最後まで元気百倍でなんか笑えた。

ケイティが大活躍!(スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) シャンナ・スウェンドソン)

スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) (創元推理文庫)

スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) シャンナ・スウェンドソン

 

魔法製作所の第5弾

 

あらすじ

実家に戻っていたケイティが4ヶ月ぶりにニューヨークへと戻ってきた

マジック・スペル・イリュージョン、MSIへ復職するため、ダウンタウン行の電車に乗っていたところ

魔法をかけられた男性が別の男性の財布を盗む現場を目撃する

財布を持ち主に返そうとした時、魔法をかけられた男性が突然ケイティの首を締めてきた

向こう脛を思いっきり蹴飛ばして難を逃れたケイティ

その時、相手の妖精が魔法を仕掛けてきた。が魔法の効かない、イミューンのケイティには無用の長物だった

が、周りで騒動が起きていた。そこを収めたのが、スペルワークス社のキーホルダーだった。

散々な格好で現れたケイティだったが、ケイティの来社を予知したボスが会議にケイティを招いていた

ボスのマーリンが口にしたのは、自社の販売する黒魔術から身を守るための商品を売り出したスペルワークスの新しい戦略だった

そしてケイティにマーケティングで彼らに勝とうとするためのアイディがないか問うた

そこでケイティはカスタマーカンファレンスを開いて参加者に自社の製品をアピールする機会を設けることを提案した

試して見る価値はあると早速ケイティはマーケティング部長に任命される

 

ニューヨークで次々起こる見に覚えのない人が事件を起こす事例、スペルワークス社の商品の流布、恋人オーウェンの危機にケイティが活躍する

 

===

感想・ネタバレ

オーウェン!!衝撃のラストだった。

これから一体どうなるの?どうしてふたりとも冷静でいられるの??

オーウェンの魔力が無くなるなんて!!

イミューンと同じになるってどゆこと??

 

オーウェンの出生の秘密が今回のタイトルかな

養父達と出会う前のオーウェンの親のこと

衝撃の事実

大事件の犯人がオーウェンの親で、でもそれが冤罪というか巻き込まれたというか騙されたというか

母凄い。証拠集めるの大変だったろうに、息子の将来を案じてあんな工夫を凝らして隠して

母頭いい。

 

でも魔法製作所読むの何年ぶり?

第4弾が2009年発行だから、でも発行されてすぐは読んでないと思うけど

6・7年ぶりかな?

だから敵のイドリスって誰??って思いながら読んだ

けど、シリーズの詳細覚えてなくても楽しめた

再読してから読もうかと思ったけど、そんな心配要らなかった

大雑把には覚えてたから

 

今回も?ケイティ大活躍だった

出世もしたし、イミューンとしてだけでなく自らの機転と知能で敵とやりあった。

スパイっぽいシーンとか、ホテルから逃げ出す所とか面白い

グレイテスト・ショーマンのバーナムの名前が出てきて、以外なところで驚いた

 

シリーズが来年1月に刊行されるもので完結らしいから

じわじわ読んでいこう

とても楽しめた

手話通訳士として事件に関わっていく(デフ・ヴォイス 丸山正樹)

デフ・ヴォイス

デフ・ヴォイス 丸山 正樹

 

手話通訳士として事件に関わっていく

 

あらすじ

荒井尚人・43歳無職、前職は警察の事務員

特技の手話を活かそうとして、手話通訳技能試験を受験しに来た

結果は合格、無事手話通訳士として働くことが出来た

だが、付き合っているみゆきにはそのことを話せずにいた

登録通訳士として働き始め、最初の通訳相手は益岡という老人だった

益岡にとある理由から気に入られた荒井は、益岡の噂を聞きつけた他の利用者から利用が広まっていった

益岡が荒井を気に入った理由、それは、手話の種類にあった

日本語に手の動きを一つずつ当てはめていく手法、「日本語対応手話」ではなく、ろう者が昔から使ってきた「日本手話」を荒井が使えたからだった

日本手話は、顔の表情や眉の上げ下げ、口の形や肯いたり首を振ったりする頭の動きを取り入れた手話である。これらの表現によって、疑問形や命令形、使役形などの文法的意味をもたせる事ができる。

そんな荒井のもとに公判の通訳、法廷通訳の依頼が来て・・・

 

===

感想

知らないことが多かった。

耳の聴こえない人を、ろう者と呼ぶことや、手話の種類が2種類あること、両親ともにろう者で聞こえる子供のことをコーダと呼ぶこと。

 

前半部分はろう者と手話について知ることが多く、後半部分でミステリでぐいぐい読ませてもらった。続編もあるとのことなので楽しみ。

 

ここからネタバレ

 

 


題名のデフ・ヴォイスは、Deaf=ろう者のことを指している

だから直訳すれば、「ろう者の声」

確かに、事件の容疑者がろう者であったり、手話通訳講師の素子の存在、コーダである主人公荒井、過去の事件で冤罪の罪に問われたろう者の存在

でも多分、題名は真犯人である輝子の姉幸子の声だったのかもしれない

性的虐待を受け続けて、言えなかった、訴えれなかった幸子の声

それを妹である輝子だけが知ってしまった。だから輝子は行動に移した。でもそれだけが致命傷になったわけじゃなかった、たまたま酒を飲んでいて血が止まらなかったから亡くなっただけで。

でも息子もまた、幸子を探し出して親と同じ行為を幸子に与えて脅して、なんてやつ

幸せに暮らしていた輝子の生活が脅かされるかと思い、息子を殺害した幸子
負の連鎖。助けを求めるための手話が、声が出せなかった二人。

それがデフ・ヴォイスなのではと思う

不思議な力を持つカザアナと関わった家族の話(カザアナ 森 絵都)

カザアナ

カザアナ 森 絵都

 

不思議な力を持つカザアナと関わった家族の話

 

あらすじ

平安時代に生きた八条院というひとが亡くなってからはや850年あまり

日本は古来の日本らしさを外国に売り出す場所になっていた

 

今は昔、八条院というひとが存命の頃、この世には風穴と呼ばれる不思議な力を持った者たちが京に住んでいた

空や風、海、石、虫、様々な自然と心を通わせ、意思を読み取ることができた風穴

はじめのころは庶民に親しまれる存在だったが

その風穴を貴族たちはこぞって我が物にしようとしていた

 

変わって現代、2060年頃、外国に売り出すため日本らしさを十分に発揮しようと
条例まで設けて厳しく律していた

その名も景勝条例、いわく、景勝特区内に居住する市民は、各々に課せられた規定を遵守し、地域の美化に貢献しなければならない

ゴミひとつないまち、日本家屋、懐かしの行灯

といった風情を大事にする街で、中学2年生の里宇は弟の早久と母親と暮らしていた。

こんど今暮らしている景勝特区特Cから特Bになるため、荒れ放題の庭が問題となっていた

そこで偶然であった造園業者・カザアナの岩瀬香瑠という女性に声をかけられて・・・

 

===

感想

未来の話だったんだー

もっとファンタジー色強いかと思ってたけどそうでもなかった

 

造園業者か・・・確かにカザアナ達の特性を生かした素晴らしい職業だな

特に虫の声を聞けるカザアナ・鈴虫は元からひとりで庭師として活躍してたみたいだし

石の声かー、ちょっとどんなこと言ってるのか興味あるな

 

主人公が中学生だからか、ジュブナイル感がある

冒険活劇みたいな雰囲気も

 

物騒なことはおこらないし、ただ観光特化された日本文化あふれる街が息苦しさを感じさせる

 

不倫されて庭を作ったのが父だったなら、そりゃどうでもよくなるよねー母

子どもたちに何も知らさないというのは、まだ子どもだからか

大人になった時、果たしてどう思うかはあの子達次第

 

虫のコサックダンスには笑えるというか、マジかなぁ

ダンスで始まりダンスで終わる

確かにユーモアあふれる小説でした

19世紀ロンドンを舞台にしたミステリ小説(レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち 篠田 真由美)

レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち (講談社タイガ)

レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち 篠田 真由美

 

未亡人のマダム・シーモアのもとに持ち込まれる困った話が華麗に解かれていく

 

舞台は19世紀ロンドン、使用人たちと暮らす未亡人マダム・シーモアの噂を聞きつけて

今日も困りごとを解決して欲しいお客がやって来る。

 

あらすじ

第二章 消えたダイアモンド

一人目はアルヴァストン伯爵ハンフリー・クランストンの夫人、レディ・アルヴァストンが主人の命によりやってきた侍女(レディズメイド)・パメラ

彼女が話す前にもうマダムは話のおおまかな内容は知っていた。というのも紹介状を送ってあったからだ。

アルヴァストン伯爵のタウンハウスで開かれた晩餐会で、お客のコングリーブ子爵令嬢ミス・アレクサンドリーナが身につけていた宝飾品、首飾りと耳飾りのうち、耳飾りの片方がこつ然と消えてしまった。その行方を探しにやってきた。

そればかりでなく、宝飾品の詳細な来歴やどんな宝石を使っていたのかまで言い当てるマダムを前に、パメラは噂通りの魔女かもしれないと思う。

 

第4章 見えないファントム・レディ

二人目は、誰も住んでいないはずの廃墟でみた、女性に恋をした詩人ルイ・オーギュスト・フロマン。

その人の正体を知りたいという。

ロンドンで翻訳された詩集を発表するため滞在してたフロマン。友人の画家ジュリアン・スコットがマダム宛の紹介状を書いてくれたという。だが、マダムはそのスコットも知らないという。だがフロマンの詩集なら持っている。とどこの誰だか知らない人の相談には乗れそうもないという雰囲気を察知した、フロマンが自らの詩集を暗唱してみせます。といい出した。そこまでせずともマダムは想像した通りの人物だから信用するという。

そして実際に体験した出来事をフロマンから話して欲しいと聞かせる。

酒を飲んでいたが強いので酔わない、だが煙管を勧められて飲んだ。それは阿片ではなかったのか?との問いには違うと全然別物だったと答える。肝心の幽霊に出会ったところでは、月明かりに照らされて、なんとも幸福感を味わっているとカメオのような白い横顔が顔だけ浮かんでいるのが見えたのだという。

その人は転びそうになった一瞬目を離した隙きに消えてしまった。はたしてその女性の正体とは・・・

 

===

感想

どっちが探偵役かなー。マダム・シーモア?それともメイドのシレーヌ? 両方とも謎解きをしてるからどっちが探偵かわからん。両方という手もありそうだけど。
普通どっちがかワトソン役だから。

シレーヌはなんだか凄そうな過去を持ってそう、執事のミスタ・ディーンも

シリーズ物だそうだから、次巻以降で掘り下げる感じかなー

 

個人的に好きなキャラはミス・アミーリアかな

活発でお嬢様っぽくなくて、乗馬が好きで

あとはミス・アリス

料理好きでこっちもお嬢様っぽさがない

詮索好きで冒険好き

 

ヴィクトリア時代のメイドをテーマに扱っている、ミステリ小説

タイガ文庫ともあるから若者向けかな?

 

表紙のマダム・シーモア、たしかに見た目は10代に見える

これで40代というからおそろしい

対するシレーヌは想像通りかな、凛々しい毅然とした態度

イメージ通りの絵だわ

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