魔性の子 十二国記 0 小野不由美
10月と11月に最新刊が発売されるらしいのでそれまでに再読しようと読んでみた
この巻は序章にあたるらしく、まだ陽子も景麒も登場してない
麒麟・泰麒の現世での空白の時間を描いた物語
あらすじ
今回の主人公は高里。高校生
彼が小学生の頃、1年ほど神隠しに会い姿をくらましていた
戻ってきてから、彼の周りで不審な事故や死亡事故が起き始める。それを周囲の人達は祟りだという
彼にいじめたり暴力を振るうと、報復としてあくまでも事故として彼に危害を加えた人物が負傷する
彼の高校に教育実習生としてやってきた広瀬は、彼の馴染めない異質な雰囲気を醸し出していたのを察知していた
クラスメイトたちも高里にかかわると祟られることを知っており、遠巻きにしていたが
信じようとしない一部の生徒達が、彼をいじめてしまう
その報復にあい、負傷した生徒。更に信じない生徒が暴言を吐き殴った後、事故で死んでしまう
得も知れぬ恐怖にクラス全体が高里がいなくなれば、この恐怖からまぬかれると集団で攻め立て高里が教室から転落。幸い怪我は軽症で済んだが、その集団の一部の生徒がまた事故で負傷
怯えだす生徒に、死亡した生徒についてマスコミが嗅ぎつけて自体は大ごとになっていく
その間も、高里は感情がないように見え、淡々としていたが、家族全員が野犬か猛獣に襲われて惨殺されてしまった時には感情をあらわにしていた
感想
決して私の好むほのぼのとしたお話からは、程遠いのだけど
先が気になって、展開は知ってるけどいつまでこのどんよりとした内容が続くのか
探しに来ている廉麟(れんりん)がホラーだったけど、早く見つけて救ってあげて欲しい気持ちでいっぱいだった
何人死んだ?傲濫(ごうらん)と汕子(さんし)がおそらく実行犯というか
過剰になっていく様は、読んでいていたたまれない
高里も、神隠しにあっていた、つまりあっちの世界で過ごしていた期間の記憶を全く覚えていないから
それでもなんとなく、神隠しの間の記憶を取り戻したいと、おぼろげな記憶をたどっていた
守らないといけなかったのは確かなんだけど、守り方が一方的で暴力的で
高里と傲濫や汕子との意思疎通がちょっとでも出来てたら、こんな悲しい話にはならなかったのにって思ってしまう
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