広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

身分違いの恋の行方(柏木 源氏物語 中 角田光代訳)

あらすじ

柏木はずっと病に臥せって、快方に向かう様子もなく新しい年となる
父がすぐれた修験者を呼び寄せて加持祈祷を行っている
陰陽師たちは女の霊のしわざだという
それを聞いた柏木は女の霊が女三の宮だったら自分の身がたいせつに思えるのに
光君はもうどんな顔をして会えばいいのかわからない
光君と目を合わせたときからおかしくなって、さまよいでたたましいがこの体に戻ってこないのだ
と言っている
女三の宮に手紙を送ったが、姫は返事を書く気にもならない
後ろめたく合わせる顔がないという様子
それでも小侍従がこれが最後かもしれないと言って書かせた返事には
私もいっしょになって消えてしまいたい。情けない身を嘆く思い。
と綴られていた
その後、姫は一晩中くるしんで男の子を生んだ
出産で弱った姫君は出家したいと光君に訴える
その様子を聞いた父の朱雀院が会いに来て
噂では姫君への愛情はそれほど深くなく、院が期待していた通りにはならなかったと心を痛めていた
そしてこの機会に出家したとしても、姫君が悪く言われるようなことにはならないだろうと
姫君を出家させることにした

だが、夜明けに行われた後夜の加持祈祷に物の怪が現れ
姫君にも物の怪が憑いていたことがわかるのだった

柏木は姫君の様子を聞いて、ますます消え入るように、まったく回復の見込みも望めなくなっていった弟の右大弁の君にひととおりのこまごまとしたことを頼む
妻の女二の宮のことを見舞いに来た夕霧に頼む
最後に女二の宮に会いたいと思っていたがそれも叶わず、亡くなる

 

感想

柏木亡くなっちゃいましたね
恋してはいけない身分でしかも光君の奥さんで
そんなひとを好きなってあまつさえ妊娠させたんだから
確かに光君にちらっと皮肉みたいなの言われたけど
まぁそれだけしてはいけないこととわかっていた
罪の意識があったと
それで病になって死んでしまうとは
恋の病恐るべし

恐るべしといえば
六条御息所、女三の宮まで呪い殺そうとしてたのね
怖や怖や
誰か霊験あらたかな修行僧に供養してもらわないと
今後も犠牲者増えそうだよ

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