広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

光君の幕引き(幻 源氏物語 中 角田光代訳)

あらすじ

年が明けても光君の悲しみは癒えなかった
紫の上との思い出を振り返ったり
気心の知れた女房たちを呼んで話したりしているが
親しい人以外には会おうとしない
夕霧でさえも御簾越しに会う
明石の中宮の息子三の宮(匂宮)だけは光君のそばにいる
亡くなる前に紫の上が言い残したとおり、匂宮は西の対の紅梅をだいじにしている

春が深くなっていくにつれ
心が落ち着かず、何を見ても胸が締め付けられるので
山奥に入ってしまいたい気持ちが日に日に強くなる
匂宮が、ぼくの花が咲きました。散らないように几帳を置いて帷子を垂らしておいたら、風を防げるのではないのかなというのに対して
いいことを思いつきましたねとこの宮だけを遊び相手にしている
そうして、匂宮と遊べるのも残り少なくなってきた。まだ死ぬわけではないが会う機会もなくなるだろうと告げた

 

『雲隠』と記しただけの章があって中巻は終わる

感想

光君、亡くなりましたね
最愛の紫の上が亡くなってから悲しみに暮れて
思えば、葵の上に藤壺、そして紫の上と愛する人々を見送って来た光君
年齢もあるのでしょうが、長い年月を共にした紫の上の死は計り知れません

 

これで中巻は終わり
続きは下巻というところ
でも下巻は息子の薫の物語
てっきり下巻も光君の物語が読めると思ってたから拍子抜け
息子は息子でも血の繋がりはないからね
柏木の息子だし
でも母が女三の宮だから光君の姪で…
関係ないわけじゃなさそう

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