広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

女三の宮に恋する者(若菜下 源氏物語 中 角田光代訳)

あらすじ

女三の宮に恋する柏木はその想いを綴った手紙を送っていたが
小侍従から無駄なことだと返事が返ってきて、もっともだと思っていたが
これからどうやって過ごしていこうと思い
また一言でもいいから直接言葉をかけてもらえないかと諦めきれてない

3月の終わりの日に殿上人たちの弓の競射が六条院で行われた
賞品もあったが、上手い人だけを集めて競わせても面白くないと光君が言うので
素人の射手も参加させた
柏木が物思いに沈んでいるのを見た夕霧はいとこ同士とはいえ心も通う親友同士なので
自分のことのように心配していた
柏木は女三の宮の夫である光君の姿を見るとそらおそろしくなり正視できない
女三の宮の所にいた唐猫だけでも手に入らないものか
手に入ったらひとり寝のさみしさをなぐさめてもらいたいと考えていた

柏木は東宮に参上していた
東宮は猫好きだったので、柏木は女三の宮のところで見た珍しい唐猫で可愛らしかったと
興味を持つように言った
柏木の思惑通り東宮は唐猫を女三の宮から献上されていた
あまりなついていませんね、一旦預かりましょうと、唐猫を手に入れた柏木
夜もそばに寝かせて可愛がっている

髭黒大将は前妻との縁をすっかり切ってしまい、玉鬘を大切にしている
玉鬘が生んだ子は男の子ばかりだったので、真木柱を引き取って育てたいと考えているが
祖父がそれを許さない
蛍宮が今も独身で、真木柱に気のある素振りをしたら祖父が許可を出して
真木柱は蛍宮に嫁いだ
が、蛍宮は亡くなった前妻を恋しく思っており、面影の残った人がいいと思っていたが
真木柱は雰囲気の違う女性だったので、あまり通わない

冷泉帝が即位してから18年経った
急に退位することになり、東宮も成人していたので位を引き継いだ
髭黒大将は右大臣に
夕霧は大納言に昇進した

光君は退位した冷泉院の跡継ぎがいないことを内心では不満に思っている
出生の罪は隠しおおせたが、そのかわり後の世まで血筋を伝えることができなかった宿縁を
もの足りなく思っている

 

感想

東宮猫好きか
犬ではなく猫が飼われてたんだね
唐猫ということは中国の猫か
かわいいんだろうな
ねうねう、って聞こえるのね鳴き声

冷泉帝は藤壺の宮との間にできた光君の子供だったな
跡継ぎ生まれなかったのが良かったのか悪かったのか

「明石の尼君」といえば幸運な人って意味になった
ってとこで、近江の君が出てきてなんか相変わらず元気そうで笑った

紫の上を安心させようと他の関係あった女の人を悪く言ってしまった因果かね
六条御息所がまた、呪って出てきてしまった
紫の上は一旦亡くなったけど、息を吹き返して(!!?)
御息所亡くなって随分経つのに、まだ成仏してなかったなんて
怨念恐るまじ

柏木の想いの強さ、強行突破には驚かされる
そりゃ怖いよね女三の宮
いきなり訪ねてきて、しかも寝てたのに
想いを打ち明けられても困る
それだけで終わらず、その後も会いに来て
挙句の果てには懐妊ってまー
髭黒大将のときもそうだけど、内部の協力者の力かりて
既成事実作って結婚ってやり方、割とあったのか?
光君は、自分と藤壺の宮のとのことを思い出してるし
でも柏木の身分で自分と張り合おうなんてとか言ってるし
柏木は自分のしたことの大きさで体調悪くなって臥せってしまうし
大丈夫かな

てか紫の上の時もそうだけど
病にかかったらまず加持祈祷とか
医者という概念というか存在はいつ頃から生まれたんだろう

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