広く浅く

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本の感想。ジャンルは文芸・ファンタジー・SF・ミステリ。ほのぼの系が好き

柏木が残したもの(横笛 源氏物語 中 角田光代訳)

あらすじ

柏木があっけなく亡くなってはや1年が過ぎた
一周忌に光君は黄金百両を柏木の父に進呈した
夕霧も多くの供養をし、自身でも心をこめて法要を取り仕切っている

朱雀院が寺のそばの林で取れた筍や山の芋を尼宮(女三の宮)に送った
それを若君が齧っては放ろうとしているので
光君は「食い意地がはっていると、口さがない女房が言い触らすといけない」と言って笑う
しかしこの若君は誰に似たのか美男子で女宮(明石の女御の姫君)と困ったことになりはしないだろうかと心配する
若君が生まれた経緯を忘れることは出来ないが、かわいくて捨てることも出来ない
と歌を詠んだ

夕霧は亡くなる直前に言い残した柏木の言葉が気になっている
いったいなにがあったのか光君に聞いてみたいし、その時の反応も知りたく思っている
うすうす事情を察して思い当たることもあるので、かえって口にしてはっきり問うのもどうかと思っている

秋の夕べ、一条宮(女二の宮)はどうしているか気になって訪れる
いつものように母の御息所が応対している
宮は琴を弾いている最中だったようでそのまま夕霧を招き入れる
その琴は亡き柏木がいつも弾いていたものだった
そのため夕霧は宮に弾いてもらいたかったが
御息所は夕霧に弾いてもらいたい様子
あまり無理強い出来ないと、琴をかき鳴らすともっと弾いてみたくなり琵琶で「想夫恋」を弾く
何も言わない宮に対して、言葉にするより深い思いを抱いているのでは?と歌を詠んだ
そうすると宮は「想夫恋」の終わりを少しばかり弾いて、琴で奏でる他に言葉を持たないと返歌した
帰り際御息所から、柏木が大事にしていた笛を渡される


感想

やはり夕霧は若君が誰の息子かうすうす感づいていそう
それを光君に聞くけどさらっとかわされて
ちょっといい感じになった柏木の奥さんとのこと自分の奥さんにも皮肉言われるし、光君にも説教されるし。
まぁ仕方ないよな

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